大阪ガス・清水聖也 チーム再建は「普段通り」の精神で 副主将として22年シーズンの借り返す

[ 2022年12月1日 17:11 ]

大阪ガスの清水聖也
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 大阪ガス・清水聖也外野手(24)は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。今夏の都市対抗に続き、史上初の3連覇がかかった今秋の日本選手権も初戦敗退。敗戦から1カ月が経過したが、取材が始まり真っ先に口をついて出たのは、応援席を埋め尽くした「Daigasグループ」のファンに対する思いだった。

 「たくさんの社員や取引先の方々、ファンの方々が駆けつけてくださったにもかかわらず、初戦で負けてしまった。本当に、今でも申し訳ない、というのが一番。その中でも、大ガスらしい、素晴らしい応援をしていただけたので、改めて、こういう環境で野球ができるありがたさを知ることができました」

 入社した20年以降はコロナ禍に見舞われたことで、社会人野球の醍醐味の一つである応援も通常時とは異なるスタイルを強いられてきた。だが、選手権開催中は、感染者数が減少していたこともあり、大阪ガスの三塁側内野席はほぼ満員。応援部による華やかで、迫力ある応援が展開された。プレーヤーの清水にとって、どれほどありがたく、力をもらえたことか。その人々の思いに応えるには、来季、チームを勝利に導く以外に道はない。だからこそ、2―4で惜敗した東京ガス戦から目を背けることなく、学びを得ることを忘れなかった。

 「今季は東京ガス戦に限らず、ここぞの1本が出ない場面が多かった。決定打の部分では、東京ガスとの差を感じました。好機を迎えて気負うのではなく、いかに普段通りの取り組みを試合で出せるか。僕自身はチャンスの時ほど普段通りを心がけていますし、チームとしてもそういう部分を改善していきたいと思います」

 新チーム結成を受けて、新たに副主将という肩書きが加わった。これまでは打線の中軸として結果を出すことに腐心してきたが、4年目となる来季はチーム全体に視野を広げ、これまでとは違った角度からも野球と向き合うことになる。

 「勝てるチームになるように。後輩にも声をかけていきますし、キャプテンの公家(響)をしっかりサポートしていきます」

 大阪ガスの一員としては悔しい1年には違いなかったが、個人としてはクリーンアップにふさわしい成績を残した。打撃の際に昨オフから継続してきた“深いトップ位置”が奏功。東京ガス戦は9回無死一、二塁から左前適時打を放つなど、4打数3安打1打点と躍動した。都市対抗の2安打も含め、JABA大会など今季主要公式戦では打率3割超え。確かな手応えをつかんだ、シーズンでもあった。

 「昨年の冬から取り組んだことを、やり通すことができた。技術的なところはあまり変えませんが、長打率は物足りない。冬にもう一度、体をつくって、来季に向かいます」

 長打力を高めるために、現在は83キロの体重を、86キロまで増量することをもくろんでいる。トレーニングと並行して、食事の回数を増やしているという今オフ。全ての取り組みは「Daigasグループ」の威信を取り戻し、感謝を示すためにある。
 

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2022年12月1日のニュース