阪神・岡田監督 1点もぎ取る野球は「ヒットでホームに還ったらええねん」 緻密な“早稲田戦法”熟知も

[ 2022年11月11日 05:15 ]

<阪神安芸キャンプ>走塁練習する梅野を見る岡田監督(左から2人目)(撮影・岸 良祐)
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 阪神・岡田彰布監督(64)が秋季安芸キャンプ第3クール初日の10日、「走塁より打て」の指令を出した。ゴロ打球を前に飛んだ瞬間にスタートを切る通称「ゴロゴー」の走塁練習では、三塁走者の走塁コースについてアドバイス。足を使って1点へのこだわりを見せながらも、「ヒットを打ってくれた方がゆっくり還れる」と持論を展開。打撃力強化を選手に求めた。

 岡田監督は基本にこだわる。無死もしくは1死三塁の内野ゴロで、本塁に突入する通称「ゴロゴー」の練習。ゴロ打球が放たれた瞬間にスタートを切る作戦だ。重要な役割を担う三塁走者の走路について、指示を出した。

 「(三塁から本塁につながる)ライン(寄りに)入らなあかんわな。ちょっとでも真っすぐ行ける道を探さなあかん。何センチか分からんけど、(斜めに走ると、本塁が)ちょっと遠くなるやんか」

 ファウルラインから離れた位置にリードを取り、膨らんだ状態から走る選手を見たことで、修正をかけた。ラインに近い位置から直線で走るメリットは距離以外にもあった。

 「(仮に)バットに当たらなかったら、(帰塁する走者が)サードに戻るのも、(捕手からの)スローが(三走の)背中に当たるやんか」

 論理的にスラスラ語れるのは、大学時代に嫌というほど取り組んだからだ。「大学の時にもやったがな。早稲田戦法や。ゴロゴー」。1点をもぎ取るための作戦で、その成功の秘訣(ひけつ)を、令和の虎戦士にも教え込んだ。

 「ゴロゴー」だけでなく、打った瞬間に三塁走者が走る「ギャンブル・ゴー」も、接戦では重要なサインだ。こうした1点にこだわる作戦に深い造詣を持つ一方で、自身が実戦で使うかと聞かれると、首をひねった。

 「ギャンブルスタートということは、ゴロしか打てへんっていうことやろ?ヒットでゆっくりホームに還ってくれたらええねん。確実に外野フライを打てるとか。バッティングの技術を上げた方が早いかもわからん」

 今秋のキャンプでは、午後3~4時間が、打撃練習に充てられる。日本ハムから移籍した高浜が「特打の時間は阪神の方が長い」と口にしたほどだ。走塁は重要。しかし、それ以上に打撃が大事。打って勝つことが岡田野球の根幹なのだ。 (倉世古 洋平)

《ホームベース隠してスライディング練習》
 本塁ベースの大半をタオルで隠し、見えている先端部分にタッチするスライディングの練習にも時間を割いた。16年にコリジョン(本塁上の衝突防止)ルールが導入されてから取り組んできた練習で、筒井外野守備走塁コーチは「捕手が一番タッチしにくい場所を滑る練習」と狙いを説明した。キャンプ期間中には行う恒例練習の一つだ。また、通称「ゴロゴー」で、岡田監督に「ライン寄りにまっすぐ走れ」と指示されたことについて、小幡は「最短距離でいけると聞いて納得した」と新たな発見を口にした。

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