広島、機動力野球復活へ「福地塾」開講!盗塁王2度獲得の福地コーチが初日から「二盗極意」熱血指導

[ 2022年11月11日 05:00 ]

(右から)二俣、矢野に走塁指導する福地コーチ(撮影・河合 洋介)
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 広島・福地寿樹2軍打撃兼走塁コーチ(46)が、日南秋季キャンプを行うチームに合流し、ナイン全員に盗塁を指導する「福地塾」を開講した。独自の練習方法を取り入れながら、二盗のスタート方法を伝授。伝統の機動力野球復活へ現役時代に盗塁王を2度獲得したスペシャリストによる走塁改革が始まった。

 走塁改革の一歩目は、反応を磨くところから始まった。福地コーチが合流初日に課したのは二盗のスタートのみ。ただし「本能の部分をやりたかった」と振り返る練習内容は、実にユニークだった。

 二盗練習ながら投手役がいない。まずは、目の前に座る同コーチの持つ球が手から離れた瞬間にスタートする練習から始まった。同コーチが話しかけるなど不意を突かれた状況でも素早く反応できるかが問われる。「投手は走者に合わせてくれない」と強調し、いつでもスタートを切れる体勢や準備を求めた。

 「慣れてくれば、レベルを上げても付いてこられるはず。(手から球を)落とす手前くらいにスタートを切れるようになると思う」

 他にも独自の方法で二盗練習を繰り返した。こうして感覚を磨けば、投手が投げ始める直前に走ることができ、走力に関係なく盗塁ができると言う。「堂林はたけていた。だから特別速くなくても盗塁ができる」と20年にリーグ3位の17盗塁をマークした堂林の反応の良さに驚いていた。

 今季は球団ワーストの26盗塁に終わり、走塁面の向上は今秋の課題の一つとなっている。「福地塾」初日を終えて、選手の盗塁への関心も高まった。今季チームトップながら7盗塁だった野間は「いつでもスタートを切れる体勢や力感が大切。実戦で試したい」と収穫を持ち帰った。矢野は「“投手が球を持った時点で勝負は始まっている”と教えてもらった。今までにない考え方」と振り返り、宇草も「自分から動いて、そのあとに投手が動くようなイメージ」と新たな発想に驚いた。

 機動力野球への思いは、新監督も福地コーチも同じだ。「新井監督も(足で)仕掛けると言っている。僕らは、そのような選手を準備しないといけないし、選手にはやらないといけないよと言った」。伝統復活へ、秋のうちに土台を固める。 (河合 洋介)

 ◇福地 寿樹(ふくち・かずき)1975年(昭50)12月17日生まれ、佐賀県出身の46歳。杵島商では甲子園出場なし。93年ドラフト4位で広島入団。95~98年の4年連続ウエスタン・リーグ盗塁王。06年3月に交換トレードで西武入り。07年オフ、FA移籍した石井一久の人的補償でヤクルトに移り08、09年盗塁王。12年引退。通算1009試合で打率・272、20本塁打、184打点、251盗塁。13年から21年はヤクルトでコーチを務めた。右投げ両打ち。

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