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「リーグでも最低」と呼ぶなかれ 敵意むき出しのファンといかに向き合うか

[ 2022年5月22日 13:48 ]

サンフランシスコのジャイアンツファンを「リーグでも最低」と批判したパドレスのジュリクソン・プロファー左翼手(AP)
Photo By AP

 パドレスのジュリクソン・プロファー左翼手(29)がサンフランシスコのジャイアンツファンを「リーグでも最低」と批判している。AP通信が報じた。

 20日(日本時間21日)、敵地オラクルパーク。3回の守備でウォームアップを終えた時だった。「(レフトスタンドの)パドレスファンにボールを投げようとしたら、その人が受け損ねてジャイアンツファンがキャッチした。彼は投げ返してきたのだが、もう少しで体に当たるところだったから、こっちも投げ返したら、もっと投げ返してきた」。ボールが2個外野に転がり、審判が試合を止める。プロファーに事情聴取。プロファーがスタンドを指さしながら説明すると、レフトスタンドのファンが大勢立ち上がり、親指を下に突き出し、ブーイング。険悪な雰囲気になっている。そして7回、プロファーが左翼線の打球を処理しようとした時に、ビールのアルミ缶が投げ込まれた。プロファーは激怒、ファンをにらみつけながら缶を拾い上げている。試合後「ファンはお金を払ってきているわけで、言うだけなら何を言ってもいいのかもしれない。だが物を投げ始めたら全く違う話だ。こっちは見ていないから危険。後頭部に当たって脳震とうになる恐れもある。ここのファンはリーグで最低だ」と非難した。

 先月はヤンキースタジアムでのガーディアンズ戦で、選手とファンの間で一線を越えた事件があった。チームメートがフェンスにぶつかり身体を痛めた時に、そのけがを喜ぶ地元ファンに、ガーディアンズのマイルズ・ストロー外野手(27)が外野の金網のフェンスによじのぼって、最前列のファンに顔を近づけ、怒鳴りつけた。スタンドのファンたちに火が付いた。この直後右中間ヒットでサヨナラ勝ちとなると、打球を追いかけてきたストロー外野手に向けてアルミ缶が次々に投げ込まれた。「この惑星で一番ひどいファン」と試合後、本人は吐き捨てている。物を投げつけるのは最悪の行為で、犯人は逮捕され処罰されるべきだろう。ただしこの試合で解説を務めたカルロス・ベルトラン氏はMLB20年の大ベテランらしくこう指摘した。「ファンに顔を近づけて向かい合うなんて、外野手が一番やってはならないこと。彼らは選手を怒らせようといつも機会を伺っているのだから」。プロファーのチームメイトで、ベテランのウィル・マイヤーズ外野手も「粗暴で敵意に満ちているけど、ここのファンはいつもゲームにのめり込んで見ている。良い環境とも言える」と話す。

 この2つのコメントで思い出したのは、古い話だが、NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンだ。敵地ではファンに罵声を浴びるのだが、かえってより集中できるらしく、いつも本拠地以上にすごい試合をした。敵意満ちたファンも、試合の途中から参りましたと頭を下げるしかなかったのである。

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