ヤクルトドラ3・柴田「無意識的有能」で160キロ目指す 将来の守護神候補右腕

[ 2022年1月16日 05:30 ]

キャッチボールする柴田(撮影・村上 大輔)
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 【22年度球界新士録(1)】プロ野球12球団のルーキーたちは入寮を終え、合同自主トレをスタートさせた。話題の新人選手を紹介する「22年版 球界新士録」。連載第1回は、昨年の日本シリーズを20年ぶりに制し、球団史上初の連続日本一を目指すヤクルトから――。

 目指すのは「無意識的有能」だ。将来の守護神候補として期待される柴田は「考えなくても、自動的に自分の体が動かせる」を理想に掲げる。

 日体大時代の教えが念頭にある。投手として中日でプレーした辻孟彦コーチから「成長の4段階」を説かれた。(1)無意識的無能(知らなくて、できない)(2)意識的無能(知っていても、できない)(3)意識的有能(考えると、できる)(4)無意識的有能(考えなくても、できる)。「(3)で“自分はできる”と勘違いしてしまう人が多い。(4)に至るために繰り返し練習するんだと。考え方、リハビリ、トレーニング、全て1から100まで教わった」と感謝する。

 恩師は常に気にかけてくれた。3年の3月に右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた影響もあり、大学時代は公式戦登板なし。主力ではなかったが「コミュニケーションを凄く取ってくださった」。野球を始めた小学3年からプロ野球選手を目標としてきた右腕に、アドバイスを送り続けてくれた。

 柴田自身も己の可能性を疑うことはなかった。日体大荏原ではエースにはなれず、甲子園出場もなし。大学ではリハビリ生活も「ケガを治せば、自分は負けない」と心は折れなかった。陸上やウエートリフティングなど他競技の練習を参考に筋トレに励んだ。4年間で体重は10キロ増の88キロ、球速は142キロから149キロまで上がった。

 日本通運でも進化。最速156キロの直球に140キロ超のスプリットが武器の右腕として注目され、プロ入りをつかんだ。「自分はまだ伸びると感じている。160キロを投げたい」。能力を信じ鍛錬を繰り返す。(青森 正宣)

 ◇柴田 大地(しばた・だいち)1997年(平9)11月7日生まれ、東京都出身の24歳。日体大荏原では控え投手で3年夏は東東京大会4回戦で敗退。日体大で首都大学リーグでの登板なし。日本通運では昨年5月に公式戦デビュー。持ち球はスプリット、フォーク、カーブ。木村拓哉主演のドラマ「プライド」のDVDを持参して入寮。1メートル80、93キロ。右投げ右打ち。

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