【広島・佐々岡監督 新春インタビュー1】V奪回へ覚悟「新庄監督のように“目指さない”とは言えない」

[ 2022年1月4日 05:30 ]

”優勝”と目標を書いた色紙を手にする笑顔の広島・佐々岡監督(撮影・奥 調)

 2022年。広島・佐々岡真司監督(54)にとっては勝負の年だ。キャッチフレーズに「ガツガツGUTS!」を掲げ、覚悟を持って「結果を出さないと次はない」と位置づける就任3年目。2年連続Bクラスからどう巻き返すのか。メジャー移籍が濃厚な鈴木誠の後任4番は?守護神・栗林につなぐセットアッパーは?名誉挽回を誓う指揮官に秘めたるV奪回構想を聞いた。(取材・構成=江尾 卓也)

 ――昨季は新型コロナウイルスへの集団感染や外国人選手の不調が重なり、2年連続Bクラスに終わりました。
 佐々岡監督 それが誤算だったのは確かだけど、僕自身の采配力や決断力の問題もあったと思う。1点が取れなかったのは、采配で思い切れずに中途半端だったのが一因だと思うし、優柔不断な性格なので決断力も足りなかった。

 ――打率でリーグ1、2位の打者がいて、防御率10傑に入る先発投手が3人。優勝したヤクルトには3割打者も10勝投手もいない。戦力個々が機能すればいいが、そうでない時に作戦をどう立てるか。
 佐々岡監督 僕は投手出身なので、攻撃や守りの面でコーチ陣との連携がもっと必要かな…と。失点に四球が絡む課題はあるけど、投打の戦力やバランスは確かに、上位の他球団に劣っていないと思う。采配面を含めて改善したい。

 ――来季は河田ヘッドが三塁コーチに立つ。用兵面は東出野手総合コーチにある程度?
 佐々岡監督 東出コーチには守備も見てもらうけど、攻撃時には、彼と朝山(打撃)コーチの意見を聞き、話し合いながらやりたい。戦い方のプランをしっかり持って試合に臨み、采配ができればと思う。

 ――ヤクルトベンチに一体感を感じた…と言われました。チームを指揮する中で、佐々岡監督が掲げる一体感の浸透度はどうですか?
 佐々岡監督 まだまだ。僕の思っている一体感とは違う。選手もそうだし、スタッフ間もそう。全体が同じ方向を向いて一つにならないと。そうであってほしい。

 ――ヤクルトの高津監督は“絶対大丈夫”と言って鼓舞した。一体感を醸成する言葉や声掛けがあるのでは?
 佐々岡監督 メンタル面でね。僕も言えたらいいんだけど、正直、あまり得意な分野じゃない。でも、何とかね。

 ――昨季は若手選手が複数台頭し、終盤は投打がかみ合って一体感を感じました。
 佐々岡監督 坂倉や小園、林といった若い選手が出てきて、彼らが競争意識を持つことで一定の底上げはできたと思う。終盤は、先発投手がしっかりゲームをつくった中で、4番を打つ鈴木誠也の力が本当に大きかった。ランナーをためた中での長打や本塁打はチームを勢いづけるし、一体感も醸成する。それは確か。

 ――セ・パともに2年連続最下位のチームが優勝しました。チャンスはどのチームにもあると言えそう。
 佐々岡監督 そう思う。ズバ抜けて…というチームはないと思う。昨季は、ヤクルト戦(8勝14敗3分け)と交流戦の成績(3勝12敗3分け)が響いた。あとのチームとは互角かそれ以上に戦えた。ポイントは交流戦。交流戦の成績が直結する。

 ――就任3年目は結果が求められます。
 佐々岡監督 当然。結果を出さないと次は無いと思っている。より勝負にこだわっていきたい。

 ――具体的に目標を。
 佐々岡監督 若手を起用するのに我慢は必要だと思うけど、今年は勝ちにこだわらないといけないので、スパッといく時はいく。当然、頂点を目指したい。(日本ハム・新庄)ビッグボスのように“優勝なんて目指さない”とは言えない(笑い)。 

※新春インタビュー2に続く。 

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