3、4番コンビでオリックス巻き返す!吉田正“幻のV打”に久々の守備 ラオウも「うれしい」同点弾

[ 2021年11月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021 第3戦   オリックス4ー5ヤクルト ( 2021年11月23日    東京D )

<ヤ・オ>7回、吉田正は勝ち越し二塁打を放つ(撮影・森沢裕)
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 1点を追う9回2死三塁、打席にはオリックスの3番・吉田正が向かった。相手は初戦でサヨナラ打を放ったマクガフ。ドラマ再現に期待が懸かったが申告敬遠され2死一、三塁。杉本が一ゴロに倒れ反撃は及ばなかった。

 痛恨の連敗を喫したが、主軸に当たりが出始めたことは光明だ。3―3の7回2死一、二塁で、吉田正が3番手・田口から左翼線に落とす二塁打で一時勝ち越し。反撃の口火も切った。1―3と逆転された直後の6回先頭で左中間二塁打を放ち、流れを呼び戻した。右尺骨骨折から復帰しDHがない敵地で、9月3日ソフトバンク戦以来の守備に就いたこともプラス材料。「(左翼に)打球は来なかったが(5回宗の悪送球で)1球来て、びっくりした。何が起こるか分からないのでボールから目を離したらいけないのが野球の鉄則」と表情を引き締めた。

 青学大の後輩の姿にラオウも燃えた。6回吉田正の二塁打に続いた。杉本が小川の5球目147キロ直球をコンパクトに捉えて右翼席へ放り込む同点弾。ベンチの中嶋監督も右拳を突き上げ、場内のファンと昇天ポーズを決めた。前年2本から6年目30歳で大覚醒。32本で本塁打王を獲得し球宴、ロッテとのCS、そして日本シリーズと全て初出場アーチを描いた。

 1勝1敗で迎えた第3戦に敗れたチームのV確率は、わずか21%にとどまる。それでも、吉田正が「しっかり準備していきます」と言えば、杉本も「(1本)出たことはうれしいけど勝てなかったので。あした勝ってタイになるように」。負のデータは、頼れる主軸コンビが振り払う。(湯澤 涼)

 《逆転3度は18年以来》3回表にオリックスが先制後、5回裏オ1―3ヤ→7回表オ4―3ヤ→7回裏オ4―5ヤと形勢が3度逆転。シリーズで逆転3度の試合は、18年第5戦のソフトバンク―広島(ヤフオクドーム=ソ5―4広)以来。シリーズ最多は92年ヤクルト―西武第6戦(神宮=ヤ8―7西)の逆転5度。

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