広島・九里 カープ愛貫き残留「日本一になりたい」、3年総額6億5000万円で大筋合意

[ 2021年11月23日 05:30 ]

FA権を行使せず残留を決め、会見を行う広島・九里
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 広島・九里亜蓮投手(30)が22日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず残留すると表明した。3年総額6億5000万円(金額は推定)で大筋合意。18日には同期入団の大瀬良がいち早く残留を発表しており、V奪還を狙う佐々岡監督には心強い決断となった。

 「正直すごく悩んだけど、やっぱり愛着はある。3連覇の時に逃しているし、このチームで日本一になりたい気持ちが強かった」

 マツダスタジアムで開いた会見。九里は、残留を決めた理由をそう語った。今季は登板25試合で13勝9敗、防御率3・81の成績を残し、自身初タイトルの最多勝を獲得。球団は10月末から複数回にわたって交渉の場を設け、慰留に努めてきた。

 「“チームをしっかり引っ張ってほしい”という言葉を頂き、すごくうれしく思う」

 当初示した2年契約などの条件を修正。大瀬良と同様に、入団から故障離脱がない九里にも、広島の投手では異例の3年契約を提示した。鈴木清明球団本部長は「故障がない体の強さが彼の持ち味。成績も年々上がっているので来季以降も期待している」と語った。

 食事会を設け、FA2投手を直接慰留した佐々岡監督は「僕の勝手な願望を込め、当日はシャンパンを開けて乾杯した。現実になって良かった」と逸話を明かし、九里の決断を歓迎。「大地と2人で投手陣を引っ張ってほしい」と期待した。

 「今年だけにならないように、もっとレベルアップしないといけない。1年でも長くマウンドに立ちたい」

 頑強な右腕が来季、投球でチームの逆襲劇をけん引する。(江尾 卓也)

 ◇九里 亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日生まれ、鳥取県出身の30歳。岡山理大付では甲子園出場なし。亜大から13年ドラフト2位で広島入り。14年3月29日の中日戦でプロ初登板勝利。チーム事情で先発と救援の両方をこなし、今季は先発で13勝を挙げ初タイトルの最多勝を獲得。1メートル87、96キロ。右投げ右打ち。

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