元NPB審判員記者がブルペンでジャッジ! DeNA5位のサイド右腕・深沢のここが凄い

[ 2021年10月17日 19:59 ]

今年3月のセンバツ、中京大中京戦に登板した専大松戸の深沢鳳介
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 今年の甲子園大会に春夏連続出場した専大松戸・深沢鳳介投手(3年)が11日に行われたドラフト会議でDeNAから5位指名を受けた。

 最速144キロを誇るサイド右腕は切れのある変化球とコースに投げ分ける制球力が武器。今夏の甲子園では1回戦の明豊(大分)戦で11三振を奪って完封勝利を挙げ、ドラフト指名を決定的にした。

 記者は11年から16年までNPB審判員を務めた。2軍戦のウエスタンリーグではソフトバンク・千賀や深沢の担当スカウトを務めた阪神・吉見(現DeNAスカウト)らの投球をジャッジ。試合以上にボールを見る機会があるシーズン中の練習や春季キャンプでは日本ハム時代の大谷や西武時代の菊池の投球判定も行った。1人1人の球道は今も目に焼き付いている。

 今春のセンバツ大会前。専大松戸・持丸修一監督の許可を得て、深沢のブルペン投球を捕手の後ろから見せてもらった。深沢は2年秋の関東大会で小沢周平ら左の好打者を揃える高崎健康福祉大高崎(群馬)にメッタ打ちされた経験を生かし、一冬超えて「左殺し」の武器を習得していた。

 辿り着いた球種がツーシーム。特筆すべきはホップするような伸びがあり、右打者方向に大きく曲がる点だった。高校野球は芯を外れても飛距離が出てしまう金属バットを使用するため、芯を外す球種は木製バットを使用するプロ野球ほど効果を発揮しない。

 深沢が習得した曲がりの大きなツーシームは空振りを奪える決め球にもなり、ウイニングショットとしていたスライダーと変化が対となっているためベースを幅広く使えた。加えて縦の変化をつけるカーブもある。ツーシームを「センバツまでに使えるようにしたい」と言っていたが、記者には完成品のように思えた。
 
 それから約2カ月後のセンバツでは1回戦の中京大中京(愛知)戦で3安打2失点で完投負け。だが、ツーシームで面白いように左打者を料理していた。
 
 苦手の左打者を克服した深沢だが、センバツ後の春季関東大会で話しを聞くと「ツーシームが曲がりすぎているので、(曲がりを)小さくしようとしています」と言った。
 
 今振り返ると、小さな変化が求められるプロを見据えていたのかもしれない。(柳内 遼平)

 ◇深沢 鳳介(ふかざわ・おうすけ)2003年(平15)11月5日生まれ、東京都江戸川区出身の17歳。第四葛西小1年から「雷サンダース」で野球を始め、上一色中では軟式野球部に所属。名前の字は父・竜之さんが「深い所からでも羽ばたけるように」と選び、読みは母・由紀さんが好きだったテレビドラマ「やまとなでしこ」で堤真一が演じた中原欧介に由来する。1メートル77、74キロ。右投げ右打ち。

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