牛島和彦氏 朗希の“魔球”同じ腕の振りから同じ軌道でカットとフォーク

[ 2021年10月15日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6ー1オリックス ( 2021年10月14日    京セラD )

<オ・ロ>力投する佐々木朗(撮影・北條 貴史)
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 【牛島和彦 視点】カットボールでイメージを変えた。ロッテが優勝マジック「9」を点灯させた14日のオリックス戦をスポニチ本紙評論家の牛島和彦氏(60)が分析した。ロッテの先発・佐々木朗希投手(19)は、これまで投げていたスライダーを減らしてカットボールを使用。イメージを変えてオリックス打線に的を絞らせず、6回5安打無失点の好投につなげたと強調した。

 佐々木朗のイメージの変化に、オリックスの各打者はかなり戸惑ったはずだ。これまで投げていたスライダーを減らして、代わりに使ったのがカットボール。スピードのある投手だから、腕を振って投げてくるカットボールは打者の手元でピュッと曲がる。これが実に有効だった。

 150キロ後半の速球にカットボールとフォーク。同じ腕の振りから同じ軌道で真っすぐ来たかと思えば、打者の手元で曲がる(カットボール)、沈む(フォーク)から打者は絞れない。3回2死一塁で杉本に対し、1―1からカットボールを空振りさせてフォークで空振り三振。6回1死一塁でも、モヤに対して初球に低めのカットボールを空振りさせ、追い込んでから高めに抜けたフォークで見逃し三振。低めのカットボールを意識させられていたモヤは全く反応できなかった。

 勝てばマジック点灯の試合でも力むことはなかった。2死から連打された初回。力が入ってバランスを崩すところだが、落ち着いてモヤをフォークで二ゴロに打ち取った。対してオリックス・宮城は重要な試合を意識していたのか、大事にいき過ぎた。いつものような右打者の内角を突くボールがなく、長打で失点。同じ2年目の若い投手に、明暗が分かれてしまった。(スポニチ本紙評論家)

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