ロッテ 朗希快投で51年ぶりマジック「9」点灯!自己最速158キロ連発、援護に燃えた6回零封8K

[ 2021年10月15日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6ー1オリックス ( 2021年10月14日    京セラD )

<オ・ロ>5回、福田を三振に仕留め笑顔でグラブを叩く佐々木朗(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 2位のロッテは14日、首位のオリックスに快勝。2位ながら1シーズン制では1970年以来、実に51年ぶりとなる優勝マジック「9」を点灯させた。重圧のかかる先発マウンドを任された佐々木朗希投手(19)は6回5安打無失点で3勝目。自身初となる中6日でプロ最速タイの158キロをマークするなど好投した。残りは10試合。05年以来、16年ぶりのリーグ優勝へ向け、一丸で突き進む。

 陳腐な表現かもしれないが、やはり“持っている”。チームにとって歴史的な試合に先発して白星。佐々木朗は敵地まで足を運んでくれたファンが陣取る左翼席前で「M9」と記した色紙を手に、満面の笑みを浮かべた。

 「なかなかマジックがつかなかったけど野手が初回に点を取ってくれて気持ちを見せてもらった。おととい、昨日と小島さん、石川さんがいい投球をしてくれた。その流れに乗って投げられました」

 10試合を残して2位ながら1シーズン制では51年ぶりの優勝マジック9が点灯。今季7度目の挑戦で重い歴史の扉をこじ開けた立役者は「緊張もあったし(京セラドームは)初めてのマウンドで調子はよくなかった」と振り返る。それでもプロ最速タイとなる158キロを5度も計測。初回こそ得点圏に走者を背負ったが、2回以降は二塁さえ踏ませなかった。6回5安打無失点、8奪三振。最後の打者だった中川圭に対して157キロを記録するなどプロ初の中6日でも余力は十分。価値ある3勝目を手にした。

 佐々木朗は「チームとしても個人としても負けられなかった」と言った。高校日本代表でU18ワールドカップをともに戦った宮城との初の投げ合い。決起集会では焼き肉を「あ~ん」してもらった間柄だ。その代表候補合宿で高校生史上最速の163キロを計測したことで注目度は上回ったが、右手中指のマメをつぶした影響で大会での登板は1イニングのみ。一方で宮城は3試合に登板した。新人だった昨季に自身は実戦登板がゼロも、宮城はプロ初勝利も飾り、2年目の今季は開幕からハイペースで白星を重ねて新人王の最有力候補だ。

 佐々木朗は宮城を「柔らかい感じで、いいキャラクター」と表現するが野球では常に先を行くライバル。8月13日にZOZOマリンで10勝目を手にした左腕の投球を間近で見て「勉強になることばかり」と大きな刺激を受けた。必死に追い掛け、巡ってきた大舞台での投げ合い。負けるわけにはいかなかった。

 「お互いにいい経験をさせてもらった。今後の投球につなげたい」と佐々木朗。3連戦を2勝1分けで終えた井口監督は「順調なら(佐々木朗は)2試合投げられる」と明言。シーズン1位で優勝なら、こちらも70年以来51年ぶり。もはや19歳は「Vの使者」といえる存在だ。(横市 勇)

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月15日のニュース