日本航空・バデルナ 7回に先頭打者のライナーが腹部直撃も魂の完投 チームを16年ぶり16強導いた

[ 2021年8月22日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権2回戦   日本航空5―3新田 ( 2021年8月21日    甲子園 )

<日本航空・新田>7回無死、新田・古和田の打球が直撃し、痛がる日本航空・バデルナ(撮影・坂田 高浩)
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 アクシデントを乗り越えた。4―0で迎えた7回。日本航空のバデルナ・フェルガス(3年)は、先頭打者のライナーを腹部に受けた。1メートル88のエース左腕はうずくまり、痛みに顔をゆがめたが「完投する思いはありました」と続投。豊泉啓介監督にも「あの場面で代える判断はなかった」と託された。この回3点を失ったものの、139球の熱投で1回戦の完封に続く完投勝利を挙げた。

 父はドイツとハンガリーにルーツを持ち、母は香港出身。英語と日本語を操るバイリンガルは、初回に自己最速タイの136キロを記録した。「カウント球としても、三振を取る球としても使える」と自信を持つスライダーもさえた。3点先制した4回には、中前2点打で自らを援護。16年ぶりの16強に導き「今日の試合より良い投球ができるように」と初の8強入りを見据えた。(柳内 遼平)

 ◇バデルナ・フェルガス 2003年(平15)10月13日生まれ、大阪府出身の17歳。小1で野球を始め、飯の峯中では大阪泉南ボーイズでプレー。日本航空では2年秋からベンチ入り。趣味は映画観賞。好きな言葉は「諦めない」。1メートル88、85キロ。左投げ左打ち。

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