大谷翔平、驚異の逆転現象「本塁打30本>単打25本」 “飛ばないボール”でルースに並ぶ60発ペース

[ 2021年7月4日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス8ー7オリオールズ ( 2021年7月2日    アナハイム )

<エンゼルス・オリオールズ>3回、29号本塁打を放ち、バットを投げる大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷が打席に入るたびに観衆は本塁打を期待する。最近6本の安打は全て本塁打。今季は単打25本に対し、本塁打が30本と「逆転現象」が起きている。

 歴代の本塁打王でシーズンを通して、本塁打数が単打数を上回った選手は過去に2人しかいない。元カージナルスの主砲で、通算583本塁打のマーク・マグワイアが98、99年に記録。もう一人は歴代最多762本塁打を誇る元ジャイアンツのバリー・ボンズが、73本塁打のシーズン最多記録を樹立した伝説の01年だ。同年は単打はわずか49本で、全安打に占める本塁打の割合は46・8%。これは大リーグ史上最高となっている。マグワイアも98年は46・1%、99年は44・8%を記録しているが、今季の大谷は39・5%と4割超えに近づいている。

 歴史に名を残すスラッガーと肩を並べようとしている大谷だが、注目すべきは今季から低反発球が導入されていること。大リーグ機構は、近年の本塁打量産による「打高投低」傾向に歯止めをかけるために反発係数を下げた。ボールの重さを最大2・8グラム軽くすることで、飛距離は375フィート(約114メートル)飛んでいた打球で、1~2フィート(約30~60センチ)抑えられるという。1試合当たりの平均本塁打数は、大リーグ全体で史上最多6776本を記録した19年の1・39から今季は1・18に減少。「飛ばないボール」での大谷の本塁打量産は驚異的といえる。

 今季の本塁打分布を見ると例年通り中堅から逆方向へも打っているが、引っ張りの打球が増えているのが目立つ。長打率もメジャー全体トップの・705となり、超一流のスラッガーの指標となる7割を超えた。マグワイアや01年当時のボンズと比較して、二塁打や三塁打が多いのも特徴。まさに記録的なシーズンとなっている。

 ≪MLB史上初の10登板以上で30発≫年間10登板以上で30本塁打をマークするのは大リーグ史上初の快挙。1919年のルース(当時レッドソックス)の29本を上回った。また、1901年以降で球宴前に30本塁打&12盗塁達成は2019年のイエリチ(ブルワーズ)以来で史上3人目。また、81試合時点での30本塁打&10盗塁はア・リーグ初の快挙となった。

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