ヤンキース-インディアンスは9イニングゲーム史上最長4時間50分 田中は筒香のレイズ相手にリベンジへ

[ 2020年10月1日 18:18 ]

ア・リーグワイルドカードシリーズ第2戦   ヤンキース10―9インディアンス ( 2020年9月30日    クリーブランド )

<インディアンス・ヤンキース>先発登板したヤンキース・田中(AP)
Photo By AP

 ヤンキース・田中将大投手(31)は4回0/3を投げて5安打6失点3四球3三振だった。雨、強風という悪天候に悩まされ勝ち星を手にできなかったが、チームは打撃戦を勝利。10月5日(同6日)から始まる5回戦制の地区シリーズで、筒香嘉智外野手(28)の所属するレイズとの対戦が決まった。

 前日、プレーオフで好投できる理由を聞かれ、「自分らしくいることが大事」と答えた右腕だが、この日は自分らしさを発揮できる環境ではなかったのだろう。降雨予報で開始が40分以上遅れ、初回裏の1死後にさらに約30分の中断。テレビ画面を通じてもユニフォームの裾が吹きとばされているのが見えるほどの強風と土砂降りの雨の中で、ずぶ濡れの田中は初回に連続二塁打で1点を先制された。

 「新しいボールに変えてもらっても、審判から僕の手に届く時にはびちゃびちゃ」という状態では、細かい制球は不可能だった。その後の中断を挟んで四球と連続長短打で3点を加えられ、いきなり4失点。今季初のポストシーズンのマウンドは、波乱の2020年を象徴するように厳しいものになった。

 「これ以上、試合を壊してチームの勝つチャンスをつんでしまってはダメ」と2、3、4回はなんとか無失点に抑えたものの、5回に無死から二塁打と四球を出したところで降板。リリーフが2人の走者を生還させたためにプレーオフ自己ワーストの6失点となり、「自分が最後まで踏ん張りきれなかった。自分の力のなさかな」と悔しさばかりが残る登板となった。

 ただ、打線好調のチームは9イニングのゲームとしてはシーズン、プレーオフを問わず史上最長という4時間50分の大激闘を制し、地区シリーズ進出を決定。地区優勝を譲った宿敵・レイズとの対戦で田中にもリベンジの機会が残されている。

 「本当に今日は仲間に助けてもらいました。次に進めるということなので、やり返したい。しっかりとまた今日の投球を振り返り、次の登板につなげていきたいと思います」

 10月下旬まで続くポストシーズンはまだ始まったばかり。地区シリーズ以降は温暖なカリフォルニア州サンディエゴが舞台となり、これほどの悪天候下でのゲームはもうあり得ない。また違う環境での難敵との対戦を前に、「相手チームを上回れるようにしっかりと対策して、自分自身の調整もそうですけど、しっかりと調子を上げていければ」と田中は再び前を向いた。(杉浦大介通信員)

続きを表示

2020年10月1日のニュース