阪神・矢野監督「言いようが難しい」 ブルペンは2軍の顔ぶれ…気負ったか、西勇の連続完封途絶える

[ 2020年9月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-6ヤクルト ( 2020年9月25日    神宮 )

<ヤ・神(16)>6回2死一、二塁、西浦に中前適時打を浴び、マウンドで声をかけられる西勇(中央)(撮影・坂田 高浩)
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 2軍から9選手を緊急昇格させて戦いに臨んだ阪神は25日のヤクルト戦に逆転負けし2連敗。首位・巨人とのゲーム差は今季最大を更新する12・5に開いた。球団54年ぶりの3試合連続完封を目指した西勇輝投手(29)の快投に望みを託したが6回4失点と精彩を欠いた。想定外の苦境に矢野耀大監督(51)も「何とも言いようが難しい」と言葉を詰まらせた。

 敗戦後、チームの置かれた現状について問われた矢野監督は言葉に窮した。「ん…。まあ、どうなんかな…。ちょっと言葉が難しい…。何とも言いようが難しい」。幾度も挟まれた沈黙が、苦悩と困惑を物語った。

 投打の主力を含む10選手を登録抹消し2軍から9選手を緊急昇格させて臨んだ一戦。戦力ダウンが避けられない窮状にあって、先発・西勇の快投に期待したが、エースとしての責任感が、この日ばかりは気負いになったのかもしれない。「記録よりも自分の仕事をすることを大切に投げて行きたい」と意気込んで臨んだマウンド。ただ、勝ちパターンの継投を支える岩貞、岩崎、馬場の3投手を欠きブルペンには2軍の顔ぶれがズラリ。1イニングでも長く…の投球を余儀なくされた右腕の投球も、チーム同様「いつも通り」ではなかった。

 立ち上がりから持ち味の制球力に狂いが生じた。初回1死から青木に右越えソロを浴び、3試合連続完封は早々に途絶えた。2点リードで迎えた4回には2死無走者から浜田、西浦、エスコバーに3連打を浴び同点に追いつかれた。要所で「らしさ」が影を潜めた。

 同点の6回には、不運にも見舞われた。2死一、二塁。西浦をカウント1―2と追い込んで4球目を投じた直後、左足を滑らせてバランスを崩した。内角低めを狙ったはずのシュートが真ん中寄りに入り、痛恨の左前適時打を浴びた。6回6安打4失点で4敗目。エースの力をもってしても、非常事態を脱することはできなかった。

 とはいえ、下を向いてばかりもいられない。指揮官は「悪くはないと思うし、丁寧に投げてくれてはいた」と粘投のエースをねぎらった上で言葉を続けた。「苦しい状況は状況でも、いる選手にとってはチャンス。やれることを精いっぱいやっていくしかないという気持ち」。人事を尽くし、苦境に立ち向かう。

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