日本ハム・中田 平成生まれ初250号! 山川や柳田見て「自信なくなった」パワー重視から円熟

[ 2020年9月11日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―3ロッテ ( 2020年9月10日    ZOZOマリン )

<ロ・日>初回1死二塁、日本ハム・中田は通算250号本塁打となる右越え2ランを放ちナインの出迎えに笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 勝利に貢献することが日本ハム・中田にとって何よりうれしい。9回に左前打を放つと代走を送られ、ベンチで勝利の味をかみしめた。ベンチ裏で素早く「250号」の記念Tシャツに着替え、ヒーローインタビューへ。「打った瞬間行ってくれと…。風の力も借りて入ってくれた」。4日以来5試合ぶりの一発、打点も4戦ぶりと、胸をなで下ろした。

 ZOZOマリン名物の風も頭に入れ、準備した。試合前のフリー打撃。右翼への風を確認しつつ、6割以上を右方向に飛ばした。2時間後の初回1死二塁。打席に入る際、最大7メートルの強風を確認し、先発・岩下の外角低め直球をファーストスイングで仕留めた。右翼席へ運び、悠然とダイヤモンドを一周し、ベンチ横でカメラに向かってポーズを取っていた杉谷から記念ボードを受け取った。

 プロ3年目の10年7月20日に同じロッテ戦で初本塁打を放ってから10年。力みは消えた。「今はホームランがどうとかこだわりはない。とにかくチームを勝たせることだけを心掛けている」。パワー重視から、効率よくインパクトに力を伝える形を模索した。「今までスイングスピードには自信があったけど、ここ数年、(ソフトバンクの)柳田さんや(西武の)山川を見てレベルが違うと感じるようになったし、自信がなくなった」。だから「しばき上げる」イメージから「上から下ろしてバットに当たった時にヘッドをパンと返す」意識へと変えた。

 平成生まれで最多本塁打を放つ男の意識改革は逆に飛距離を生むようになった。24本塁打と79打点の2冠に立つが「自分自身も満足できる数字じゃない。通過点だと思っている。チームは体も心も苦しい中で戦っているし、何とかしたい。明日からまた打ちたい」。栗山監督も「もっとペースを加速してホームラン数を増やせる打者だと思う」と言った。

 無安打に終わった9日は思わずバットを叩きつけた。「本当に悔しかった。何とかしたいと思っていた」。チームの連敗は3で止まった。入団当初のヤンチャなイメージは消え、不動の4番としてチームを支える。(伊藤 幸男)

 《史上64人目》○…中田(日)が初回に24号2ランを放ち通算250本塁打を達成。プロ野球64人目。初本塁打は10年7月20日のロッテ戦で大嶺から。日本ハムでは69年張本勲、73年大杉勝男、01年田中幸雄に次ぐ4人目だ。また、中田は89年4月生まれの31歳。平成生まれでは初の250本塁打到達となった。

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