東尾修氏 吉田輝はベースの幅、奥行きをうまく使っていくしかない 1軍で出番与えてほしい

[ 2020年9月11日 21:50 ]

パ・リーグ   日本ハムー楽天 ( 2020年9月11日    楽天生命パーク )

<楽・日>力投する日本ハム・吉田輝(撮影・白鳥 佳樹)
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 【東尾修 視点】今季初登板が5回0/3を4安打3失点という結果に終わった日本ハム・吉田輝星。初登板の緊張感からか真っすぐが高めに浮いて5四死球を与えたが、高卒2年目としてはまとまっている。左足を下げたセットポジション。捕手からサインが出ないとけん制しない投手が少なくない中、一塁走者を見て自分でけん制できるところにもセンスを感じる。

 ただ、これからどうやって自分のスタイルを見つけていくか。1メートル75と上背がなく、手も短い。私の方が少し背が高いだけで、似たような背格好だ。三振をバッタバッタ取るタイプじゃない。きれいなフォームで威圧感もない。打者を抑えるにはベースの幅、奥行きをうまく使っていくしかないと思う。

 幅を使うには両サイドに逃げていく球、ストライクからボールになる球がほしい。スライダーは持っているから、シュート回転して右打者に食い込んでいく球。奥行きは同じ球種でもタイミングや曲がり幅を変えて打者の呼吸を外す。これは試合で打たれたり抑えたりして自分で感覚をつかむしかない。

 タテの変化球はフォークを持っている。島内やロメロを空振り三振に仕留めたが、切れが甘いと6回、茂木に三遊間を破られたように当てられる。このフォークをはじめ個々のボールの精度を上げていくことも必要だ。

 私の2年目は1970年。黒い霧事件で主力投手がいなくなって投げるしかなかった。11勝18敗、防御率5・14。打たれて走られて勉強させてもらった。輝星もどんどん試合で投げて、自分で感じることだ。取り散らかって試合を壊すタイプじゃない。ずっと1軍に置いて出番を与えてほしい。(スポニチ本紙評論家)

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