日本ハム 3度目の3連勝で今季最多貯金2 ビヤ爆走 異例の序盤スクイズ

[ 2020年8月26日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―3西武 ( 2020年8月25日    メットライフD )

2回1死三塁、日本ハム・中島卓がスクイズを決める(撮影・篠原岳夫)
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 日本ハムは25日、西武に4―3で競り勝って今季3度目の3連勝を飾り、今季最多タイの貯金2とした。初回に3試合連続で先制点を奪うと、2回1死三塁では中島卓也内野手(29)がスクイズを成功。チームトップの打率・344を誇る近藤健介外野手(27)が右ふくらはぎ打撲で3試合連続で欠場する中、打線が束になって得点を積み重ねた。

 敵地メットライフドームがざわめいた。2回1死三塁、カウント2―1から打者・中島に出されたサインはスクイズ。不安定な立ち上がりだった西武の右腕・高橋光に奇襲を仕掛けた。

 「ビヤがいいスタートを切ってくれたので、とにかくバットに当てようという気持ちでした。ビヤのおかげです」。巨体が迫るプレッシャーも受けながら冷静にスクイズを決めた中島は、爽やかな笑顔で振り返った。

 “ギャンブル”スタートを仕掛けたのは、この日、左足甲の打撲から復帰したビヤヌエバだった。復帰後初打席で左翼線二塁打を放ち、清水の犠打で三塁へ進むと、中島の打席で95キロの巨体が驚きのスタートを切った。高橋光が左足を上げて投球動作に入った瞬間に本塁へ突進。右投手だけに三塁けん制もある状況だが、お構いなしとばかりに「中島選手が必ず決めてくれると信じて、思い切りスタートを切った」と急加速し、中島がバットに当てようかとする時は既に本塁付近に接近していた。

 7月29日のオリックス戦で左足甲に自打球を当てて戦線離脱。8月21日の2軍戦で試合復帰し、23日の2軍戦で最終チェックする予定だったが、雨天中止となっていたため、2軍戦出場わずか2試合と見切り発車での1軍合流だった。その助っ人が足の不安を感じさせない爆走。スタートのタイミングを尋ねる質問に、栗山監督は「答えさせるなよ。察しろよ」と苦笑いだったが、復帰戦で2本の二塁打を放ったことには「素晴らしかった」と称えた。

 前カードでコロナ禍の今季特有の同一カード6連戦を終え、同一カード3連戦がスタート。異例の序盤でスクイズを仕掛けた意図について指揮官は「ご想像にお任せします」と話すにとどめたが、カード初戦を獲って勢いを付けたかった考えもにじむ。得点源の近藤が3試合連続で欠場する中、打線が3試合連続2桁安打と束になって白星を積み重ねている。

 3試合連続で先制点を奪う速攻で3連勝。首位との3・5ゲーム差は堅持した。この勢いを保って上位陣を猛追する。(東尾 洋樹)

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