槙原寛己氏、明石商・中森は「状況判断能力プロ並み」場面に応じギア上げ下げ

[ 2020年8月17日 05:45 ]

2020年甲子園高校野球交流試合   明石商3―2桐生第一 ( 2020年8月16日    甲子園 )

<明石商・桐生第一>明石商・中森のピッチング(撮影・成瀬 徹) 
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 明石商・中森は甲子園通算9度目の登板らしく、場慣れしていて落ち着いた投球を見せた。本格派というよりも、打たせて取るタイプの技巧派。変化球もスライダー、チェンジアップ、フォーク、カーブ、シュートを操り、実に器用だ。野球センス、投手センスがにじみ出ていた。

 彼の一番良いところは、相手打者を見てギアを上げ下げしたり、プロの投手のように状況判断ができること。クリーンアップと対した4回は力を入れ、2三振含む3者凡退に仕留める力も秘めている。投球フォームはコントロール重視。左足をあまり高く上げないし、歩幅も広くはなく、立ち投げっぽい感じ。それでも150キロが出ていたから、ポテンシャルは高い。

 今大会同じく注目された中京大中京の高橋宏斗投手と比べると、対照的なタイプだ。中森の方がきれいにまとまっている。ゲームをつくる力が高い。高橋はまだまだ原石というイメージ。まだやらなければならないことが多いし、その分だけ伸びしろもある。中森は勝ち上がらなければいけない高校野球では、技に走る部分が必要だったかもしれないが、プロではもっと力強さを求めてほしい。高校生は今の技で抑えられることが多かっただろうが、プロ相手は違う。

 上位指名の可能性もある来田は力んでしまっていた。確実性や、四球を取っていくことも必要。ただ、あれだけ振れる力は天性のものだし素晴らしい。何とかアピールしようという気持ちは伝わってきた。ソフトバンク・柳田のようなスケールの大きい選手を目指してほしい。(本紙評論家)

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2020年8月17日のニュース