ソフトバンク・津森 新人初勝利12球団一番乗り!「こんなに早く勝利がものになるとは」

[ 2020年6月25日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク9―6西武 ( 2020年6月24日    メットライフD )

<西・ソ>プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に笑顔を見せる津森(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・津森宥紀投手(22)が24日、西武戦で12球団新人一番乗りのプロ初勝利をマークした。5回から登板し打者6人を無安打に抑え1回1/3を無失点の好投。21日のデビュー戦では、史上初めてプロ初登板で第1打者に満塁弾を浴びた右腕が、堂々の投げっぷり。チームは今宮健太内野手(28)の3ランなどで西武に逆転勝ちし連敗を3で止めた。

 ベンチ前でのエアタッチ中、今季初セーブを挙げた守護神・森からウイニングボールを受け取った津森が、表情を崩した。プロ2試合目の登板でつかんだ初勝利に「こんなに早く勝利がものになるとは思っていなかったのでうれしい。(ボールは)親が喜ぶと思うので実家に送ります」と喜んだ。

 デビューとなった21日のロッテ戦は、先発・二保が危険球退場となった直後の緊急登板だった。無死満塁の場面。肩はまだできていなかった。これ以上の悪条件はない。初登板最初の打者、井上にいきなり満塁弾を浴びた。プロ野球史上初の記録に「いいっすね」と苦笑いだったが、この日は12球団の新人一番乗りで1勝を挙げ「これが本当のいいっすね」と笑った。

 屈辱を晴らすプロ2度目の出番はこの日、4―6の5回にやってきた。先頭・山川には内角をえぐり死球を与えたが、外崎、中村、栗山を斬った。直後に今宮の逆転3ランが飛び出し「今宮さんのおかげです」と感謝した。

 2月のキャンプ中。地元・和歌山の大先輩、小久保裕紀氏と食事をともにした。「最初から自分を出していけよ」とアドバイスを受け、プロの打者に臆することなく腕を振った。練習試合を含めた実戦では12試合連続無失点投球の猛アピールに成功し、チームの新人投手では唯一の開幕1軍入りを果たした。

 右サイドから最速149キロの直球を投げ込むのが最大の持ち味。インステップしながら右打者にはシュート回転する軌道で内側に食い込む。角度を生かすためにプレートの三塁側を踏むのが一般的だが、津森は一塁側を踏む。「その方がミットまでの球筋をイメージしやすいので」と大学時代のルーティンを変えず、自らを信じた。

 工藤監督は「死球を与えたが、インコースを攻めていく姿勢がね。これからも攻めの気持ちでいってほしい。“これから10個でも勝って”と伝えました」と称えた。「みんなに祝ってもらってうれしかった」と津森。新人らしからぬ攻めの投球を、今後も続けていくつもりだ。

 ▼津森アラカルト

 ☆生まれとサイズ 1998(平10)1月21日生まれ、和歌山県出身の22歳、1メートル77、81キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小学3年から野球を始め、和歌山東高から横手投げ。甲子園出場なし。東北福祉大では1年春から投げ、2年で大学日本代表入り。3年の全日本大学選手権では防御率0・00で日本一、最優秀投手賞を獲得。

 ☆球種 スライダー、チェンジアップ、シンカー、ツーシーム。

 ☆やるしかない! 青色グラブには「やるしかない!」との刺しゅう。肩はすぐにつくれるタイプ。「勝負はするが、緊張はしない」。強心臓のタフガイ。

 ☆紀州梅 両親とも和歌山市出身で、名産の紀州梅が大好き。大学時代から母方の祖母・大谷美和子さんから送られる梅が活力源で入寮時にも食料保存容器で持参した。「風邪も引かない。バテもしない」。ペイペイドーム内の食堂で梅おにぎりを選ぶ。

 ☆登場曲 プエルトリコ出身アーティスト、ドン・オマールの「Danza Kududo」。ノリノリの爆音。

続きを表示

2020年6月25日のニュース