広島・佐々岡監督 決意の再出発 12球団最速ファンの前でプレー「勇気と元気与える」

[ 2020年5月22日 05:30 ]

一般開放されたマツダスタジアムで練習するナインを背にスマホで自撮りする親子連れ(撮影・奥 調)
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 広島は21日、本拠地マツダスタジアムでの1軍練習を時差分離練習から投手19人と野手16人を合同した「チーム練習」へ移行した。1軍全選手が同じ時間帯に練習するのは、4月7日以来44日ぶり。観客席の一部を一般開放し、オープン戦が無観客になった2月末以降では12球団最速でファンの前で“プレー”した。

 全選手、首脳陣が一堂に集まるのは、実に44日ぶりだった。練習前にはマツダスタジアムのグラウンドで投手、野手を集めた円陣を組み、中心に佐々岡監督が立った。「医療従事者やコロナに影響を受けた方に勇気と元気を与えるのがプロの使命。だからこそ、いい準備をしよう」。訓示を伝えてから再出発を切った。

 4月8日に始まった選手を複数班に分けた時差分離練習を「チーム練習」へ移行した。野手と投手の合同練習を再開したことで投内連係でサインプレーを確認。野手は久々のベースランニング、シートノックで強度を上げた。コンディション不良で別メニュー調整だった松山を除く計35人がグラウンドに集まれば、練習は自然と活気にあふれた。

 選手会長の田中広は「(一体感が)今季のカープの特徴であり、いいところ。みんなでやることは、やっぱり幸せなことだと感じた」と喜び、大瀬良は「みんな元気でいい顔をしていた」と安どした。

 内野から右翼までの観客席を開放し、12球団最速のファンの前での“プレー”にもなった。マスク着用、体温チェック、1組ごと20席の指定席で距離間を保つなど新型コロナウイルスの感染予防を準備し、抽選に当選した125組340人を招待。フェースガードを着用した売り子が客席を巡回し、コンコースの一部飲食店も営業。大声での声援は禁止されても、コイ党の存在も練習の活気に一役買い、田中広は「本当に気が引き締まる。プレーを見て、少しでも楽しんでもらえればいいな…と改めて思った」とかみしめた。

 22日からは大瀬良らがフリー打撃に登板し、月末には2試合の紅白戦を予定。指揮官は「いまからみんなで、今年のテーマである一体感を持って、一つの目標に一つのチームになって戦いたい」と先を見据えた。全員集合は、調整段階を上げる合図となった。(河合 洋介)

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2020年5月22日のニュース