星槎国際湘南・土屋監督「オール神奈川で3年生に花道を」

[ 2020年5月22日 19:48 ]

夏の甲子園が中止となり、話をする星槎国際湘南の土屋監督(撮影・小海途 良幹)
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 夏の甲子園中止の決定を受け、各校の指導者が「3年生に最後の晴れ舞台を」と、花道を作りたい考えを続々と表明している。

 星槎国際湘南(神奈川)の土屋恵三郎監督(66)は「チーム力の伸びしろはこれまでで一番だった。本当に残念」と話し、南神奈川大会4強に進んだ18年夏以上の結束力を作り上げたナインの力を称えた。

 母校・桐蔭学園監督時代には春夏10度の甲子園出場を果たし、元巨人の高橋由伸氏ら多くのプロ野球選手を輩出。星槎国際湘南でも18年夏に創部8年目の野球部を4強に押し上げ、指導歴30年を越える名将は強い思いを口にした。

 「3年生に力を発揮できる舞台を用意できないか。野球王国・神奈川、オール神奈川で力を合わせて場をつくってあげたい。後ろを見ず、前だけを見させたい。どんな形でもゴールをつくりたい」と意欲を口にした。

 神奈川独自の大会は開催の見通しがまだ立っていない。だが、県勢は春夏甲子園通算13度の優勝を誇る全国屈指の激戦区。夏の大会決勝などでは横浜スタジアムが満員になる年もあるほど野球熱が高い。

 長距離移動や宿泊を伴う試合は難しいとされているだけに、神奈川県内で公立、私立にかかわらず様々な練習試合を実施しようというプランだ。「いろんな学校に声を掛けたい」として、学校の再開や、日本高野連が作成するガイドラインなども参考にしながら進めていきたい考えだ。

 中止が決まった日は誰よりも悔しがり、涙を流した浜田琉大主将(3年)は心のモヤモヤを振り払うように言った。「甲子園の夢を簡単に消すことはできない。でも、前を向くしかない」。

 中止の衝撃は想像以上に大きく「朝は気持ちが晴れなかったり、まだ引きずっている人もいた」という。「3密」を避けるために、お互いの距離をとりながら自主練習で汗を流した。トレーニングやティー打撃をはじめ、キャッチボールやノックなどに取り組んだ。「一緒に甲子園に行くことはできなかったけれど、前を向いて3年生29人で終われるようにしようとミーティングで話した。取り組む姿勢を後輩たちに見せようと」と浜田主将は力を込めた。

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