阪神・原口 医療従事者に感謝 昨年大腸がんから復帰「ありがたさを痛感」

[ 2020年4月23日 05:30 ]

甲子園の室内練習場で自主練習を行う原口(球団提供)
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 阪神・原口は22日、甲子園球場の施設で自主練習を行い、球団広報を通じた取材でチームの活動再開後、初めてコメントを発信。そこには、医療従事者への感謝の思いが込められていた。

 「昨年の病気の際もありがたさを痛感して、いま現在も感染のリスクの中で仕事を全うしてくれていてプロだな、と。みんなのために……。改めて感謝だと思っています」

 原口ならではの配慮ともいえた。昨年1月の大腸がん手術から復帰して以降、事あるごとに復活をサポートしてくれた医療関係者に感謝の弁を述べてきた。だからこそ、未知のウイルスと戦う人々への思いが人一倍強く沸いている。

 「2年続けてこのような期間になるとは思っていなかったですけど、昨年とは違った形ですし、施設開放してくれている中で目いっぱい野球ができているので、意味のある時間にしたい」
 野球ができなかった昨年とは違い、練習ならいくらでもできる。その姿を発信することで多くの人に元気を与えられる。「しっかり目標を持って過ごすことが未来につながっていると思うので、どのような状況でも目標を持つことを大事にしてほしい」。一度は最悪の事態まで覚悟した男の言葉には特有の力と重みがあった。

 自宅待機期間はトレーニングに加えてリフレッシュを目的としたヨガに取り組んだという。この日はティー打撃後、マシン相手に200スイングするなど本格的な打撃練習を敢行。「技術向上とか、こういう機会にレベルアップできるように取り組んでいきたい」。勇姿を見せられる日が来ることを信じてバットを振り、ボールを受け、有意義な時間だったことをプレーで証明する。(巻木 周平)

 ≪全国の野球少年少女にエール≫原口は、練習もままならない全国の野球少年少女に向け、力強い言葉を投げかけた。「次、みんなで集まった時にみんなを驚かせるチャンスだと思って、筋トレや野球の動作の練習をやってほしい。今やるかやらないかで大きく未来は変わると思う」。野球ができない苦しみと野球ができる喜びの両方を知る男の言葉だけに説得力があった。

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2020年4月23日のニュース