広島・石原慶 19年目開幕信じて「僕自身もっと進歩したい」

[ 2020年4月23日 05:30 ]

内野ノックを受ける広島・石原慶
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 広島・石原慶幸捕手(40)が22日、本拠地で野手分離練習に参加し、見えない開幕に向けて汗を流した。新型コロナ禍の影響で難しい調整を強いられながら、自らを律して年齢に抗う19年目。同班には19歳年下の坂倉がおり、質問には助言を惜しまない。「僕自身もっと進歩したい。ユニホームを着ている限り…」。ベテランの言葉はズシリと重い。 快晴のマツダスタジアム。午後の野手練習に参加した石原慶は、一連のメニューに汗を流した。ランニングから内外野ノックにティー打撃、フリー打撃、さらには室内での筋力トレ。外野ノックではノーバウンド返球で健在ぶりを証明した。

 「日本だけじゃなく世界中が大変な時。先(開幕)が決まらないと難しいけど、言い訳はできないし、その中で調整するのが自分たちの仕事なので」

 深刻な新型コロナ禍は終息の兆しが見えない。3勤1休だった練習は、選手同士の接触機会をより減らすため1勤1休になり、運動量そのものが減った。ベテランは年齢の分だけ体調面とも向き合う必要があり、ただでさえ容易でない調整がさらに難度を増した。

 「維持するものは維持し、強化するものは強化する。限られた時間を有効に使いたい。今だからできることも数多くあると思う」

 万が一の感染拡大防止に投手、野手ともAB2班の分離練習。正捕手の会沢はA班で、B班では坂倉が石原慶と一緒に汗を流す。倉バッテリーコーチはチーム事情でB班の投手に付いており、21歳の指南役は必要に応じて40歳が担う構図だ。

 「坂倉には個別にメニューを渡してある。ただ、石原慶が同班にいることで聞けることはあると思う」と倉コーチ。坂倉は「以前よりも会話は増えた。聞いたことには答えてもらえるし、めっちゃイジられるのでありがたいです」と語る。

 OBの黒田博樹、新井貴浩両氏がそうであるように、同じ野球観を持つ石原慶も求められれば100%の誠意で答えるが、自身の考えを押しつけることはしない。若手へのそうした対応や率先垂範の姿勢は、40歳になったから…ではなく以前から変わらぬものだ。

 「この年になれば一年一年が大事だし、一日一日が大事。もし開幕していたら、その気持ちはなおさら強いと思う。こういう状況でも、練習をやる以上は僕自身もっと進歩したい。ユニホームを着ている限りは…ね」

 いまだ不透明なプロ19年目の開幕。石原慶は、できることは何か…を自らに問い掛けながら、その日が来ると信じて明日を見つめる。(江尾 卓也)

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2020年4月23日のニュース