マイナー選手 1000人以上リストラも…コロナで深刻経営難直面、球団数160→120へ削減合意へ

[ 2020年4月23日 05:30 ]

3月、オープン戦中止と開幕延期が決まり、キャンプ施設から荷物を運び出すマイナー選手ら
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 大リーグ機構(MLB)が来季からマイナーリーグの球団数を160から120に削減する計画に、マイナー側が合意する見込みと21日(日本時間22日)、複数の米メディアが報じた。

 MLBとマイナーリーグ間の野球協定が20年オフに失効するため、改革を目指す大リーグ側が施設面の不備や長距離移動などを問題点に挙げ、昨秋から本格交渉。当初、マイナー側は強く反発していたが、コロナ禍の影響で開幕が延期となり、状況は一変した。米紙によると、マイナー球団の年間平均収入は540万ドル(約5億8000万円)。多額の放映権料を得る大リーグと異なり、入場料や飲食品販売が大半を占め、主催試合が1カ月中止となればシーズンで15・6%の減収になるという。深刻な経営難に直面し、あるマイナーの球団社長は「多くのチームが生き残れないだろう」と話す。

 大リーグはすでに例年6月に開催するドラフトを7月に延期する方針を決め、指名人数も各球団40巡目から最少で5巡目まで規模を縮小(21年は20巡目)することで選手会と合意している。今回の削減案では、各球団の傘下は4チーム程度になる見込み。40チーム削減となれば、1000人以上の選手が路頭に迷う可能性がある。

 マイナー側は、球団数削減報道について声明を出し「大部分が不正確」としながらも、交渉中であることは認めた。一流選手を生み出す土壌であるマイナーリーグが機能しなければ、大リーグの足元が揺らぎかねない。

 ≪日本選手も多数在籍≫現在、マイナーリーグには日本選手も多数在籍する。マーリンズ傘下の加藤、ダイヤモンドバックス傘下の吉川、ロイヤルズ傘下の結城、ドジャース傘下の北方がメジャー昇格を目指して奮闘中で、今年1月には昨年まで社会人野球バイタルネット(新潟)に所属していた右腕・冨岡がアスレチックスとマイナー契約を結んだ。

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2020年4月23日のニュース