ヤクルト・高津監督 奥川1軍デビューは五輪後“イメージ”「早ければ夏休みぐらいには」

[ 2020年2月6日 06:30 ]

バットを手に練習を見つめる高津監督(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルト・高津臣吾新監督(51)がキャンプ初の休日を迎えた5日、スポニチ本紙のインタビューに応じた。右肘の炎症で出遅れ、2軍スタートとなったドラフト1位・奥川恭伸投手(18=星稜)を即戦力として評価した上で「球界の宝」と位置付け、大事に育てる方針。東京五輪による公式戦中断(7月21日~8 月13日)後の夏休み中にも1軍デビューさせる構想を明かした。 (聞き手・黒野 有仁)

 ――1軍監督として初のキャンプ。第1クールを終えて。
 「こんなものでいいのかという思いと、良くできているという思いがある。でも、そんなにイメージとかけ離れてもいない。みんな元気よく動いてくれている。良い第1クールを 過ごせたと感じる」

 ――昨季まで務めた2軍監督 との違いは。
 「2軍の頃は、監督という肩書は付くけど、かしこまることはなかった。1軍でもできるだけ“監督、監督”することなくやろうと。選手と話したかったら話すし。自分らしくやらせてもらおうと思っている」

 ――ドラフト1位・奥川が右肘の炎症で2軍スタートとなった。
 「一緒にスタートしたかった。万全だったとしても1軍に呼んでいたかは別として、投げる姿は早く見たい」

 ――今後の青写真をどう描いているのか。1軍デビュー戦は。
 「2軍でしっかり投球をして、打撃投手をやって…。段階を踏んで1週間~10日に1回、100球くらい投げられるようになって。それを何回か重ねたときに、“さあ”となる」

 ――今季は東京五輪でシーズンが中断する。後半戦では見たい。
 「もちろん。早ければ夏休みぐらいには、とイメージしているけど。ちょっとそこは、分からない」

 ――将来性も考えて決めるのか。
 「ヤクルトだけのものじゃない。過保護じゃないかというくらい大事に育ててあげないと。日本の中心投手に育てるために、何が必要なのか考えたい」

 ――1位指名を熱望した。
 「(昨夏の甲子園での)試合をテレビで見て“凄いな”と思って。実際に近くで見たら、すぐ使いたくなってしまうんだろうなと思うくらい衝撃を受けた」

 ――一番の魅力は?
 「制球力だと思う。球速もあるし、スライダーもめちゃくちゃ曲がるけど、思ったところに投げられる技術、感覚は18歳じゃない。プロで何年も活躍しているくらいのレベル。球が速いから、変化球が切れるからじゃなくて、制球できているから三振が取れると思う」

 ――高卒でも1年目から8勝できると言っていた。
 「1年間投げる体力があれば、25試合くらい先発して10勝くらいできると思う。ただ、今回みたいにストップをかけたり…。35、40歳になっても投げないといけないから、現段階では必要ないことかな」

 ――ヤンキース・田中のように「真のエースになってほしい」と話していた。
 「(西武の)松坂やマー君とか高校でトップだった選手が、プロに入ってすぐに2桁勝てる投手になった。その後日本を代表するような、メジャーに行くような投手に成長していった。それが理想だよね。松坂とかマー君みたいな、軌跡をたどってほしい。日本を飛び越えるぐらいスケールの大きな投手になってほしいと思う」

 ◆高津 臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日生まれ、広島県出身の51歳。広島工から亜大に進み、90年ドラフト3位でヤクルト入団。04年にメジャー移籍し、ホワイトソックスとメッツに在籍。日本では最優秀救援投手に4度輝き、通算286セーブは歴代2位。メジャーでも通算27セーブを挙げた。08年は韓国ヒーローズ、10年は台湾の興農でプレー。11年はBCリーグの新潟に入団し、兼任監督を務めた12年限りで現役を引退した。14年からヤクルトで1軍投手コーチを務め、17~19年は2軍監督。

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