レイズ筒香 単独インタビュー(1)憧れボンズ&ハワード流打撃で勝負 逆方向が成功の鍵

[ 2020年1月16日 09:00 ]

今季挑戦するMLBへの思いを語るレイズ・筒香 (撮影・成瀬 徹)      
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 DeNAからポスティングシステムを利用してレイズに移籍した筒香嘉智内野手(28)が大阪府内で本紙の単独インタビューに応じた。メジャー1年目のキャンプはマイペース調整を宣言し、活躍の鍵に「逆方向」を挙げた。メジャー歴代1位の通算762本塁打を誇るバリー・ボンズへの憧れも口にした。(聞き手・柳原 直之)

 ――キャンプインまで約1カ月。現在の自主トレの内容は。

 「午前9時前に始まり、ホテルに帰ってくるのが午後7時くらい。午前中は体のトレーニングで、午後は打撃練習や守備もやっている」

 ――DeNAでは外野が本職だったが、レイズでは三塁や一塁を守る可能性もある。守備練習で意識している点は。

 「本拠地は人工芝だけど、メジャーの球場は基本は天然芝。やってみないと分からない点がどうしてもある。昨季は内野(三塁)も守ったが、自主トレでは内野を守るつもりでゴロは受けていなかった。例年に比べたらゴロを捕る量は増えている」

 ――メジャーでは道具は変えるのか。

 「グラブ、スパイクは変わらないが、バットは今までの僕の形がメジャーの規定では使えない。今までのバットは軽くてちょっと太いので微調整する」

 ――年始にファスティング(断食)を行った。

 「いつも10日間やりますが、今回は4日間。DeNAの坪井打撃コーチに紹介していただいた栄養学の先生に教わり、体のリセットとして毎年やっている。エネルギーを燃やすものがなくなった時、粘膜にこびりついている脂はファスティングでしか落とせないと教えていただいた。ファスティング中に打撃練習をすると凄く研ぎ澄まされる。いつもより感覚が分かりやすく、いつもは気付かない細かいところに気付く」

 ――レイズでも長打力が期待されていると思う。日本人最多本塁打は04年のヤンキース・松井秀喜の31本だが、そこは意識するか。

 「まだプレーしていないので、数字に関してはイメージはできないですね。打撃スタイルは変えるつもりはないけど、変えてくれって言われる可能性もある。それは監督が求めているところに応じてという感じです」

 ――メジャーの投手を攻略する鍵はどこにあるのか。

 「基本的には、僕は反対方向だと思う。プロ入り当初は、反対方向に打っていると、“振り遅れている”“引っ張らないと試合使わへん”とコーチに言われたりもした。そこを曲げずに自分で反対方向に打てるようにやってきて良かったなと今は思っている。面白くない練習だけど、反対方向に丁寧に打つ練習が、試合で使う技術のほとんど。日本にいる時とスタイルは変えるつもりはない」

 ――同地区ヤンキースには、現役最強右腕ともいわれるゲリット・コールも加入した。

 「想像もつかないような球だと思うので、一回見てどうか。日本では見たこともないような球もたくさんあると思うけど、今まで準備してきた引き出しを最大限に使って柔軟に対応していく」

 ――15年オフに参戦したドミニカ共和国でのウインターリーグの経験が大きいのでは。

 「ウインターリーグに行ったことで、国際大会で対戦した投手もあまり苦に感じなかった。ああいう雰囲気の中で、いろいろなタイプの投手と対戦できたことは大きい」

 ――メジャーリーガーでこれまで影響を受けた打者はいるか。

 「とにかくバリー・ボンズが好きだった。同じ左打者で、小学生の時から見ていた。本塁打の映像は何回見たんやろというくらい。あとは、ライアン・ハワード(元フィリーズ)。自分が高校生からプロに入る頃に活躍していたので、よく見ていました」

 ――打ち方を参考にしているのか。

 「やっぱり日本人は(打つ時に)体が前に流れていく。流れないようにというのは、ハワードとかを見ながら(参考にした)」

 ≪左翼方向への本塁打 16年以降急増30.2%≫筒香の左翼方向への本塁打は、15年までは計66本塁打中、3本で5%に満たなかったが、44本塁打で本塁打王となった16年以降は急増。計139本中42本が左翼方向の本塁打で、実に30.2%となっている。

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