日本ハム5位 創価大・望月、涙のプロ入り 野球を教えてくれた天国の父へ「ありがとう」

[ 2019年10月17日 19:58 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2019年10月17日 )

創価大・望月大希投手
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 プロ野球ドラフト候補たちの知られざるエピソードを紹介する「ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう」が17日、TBSで午後7時から3時間の生放送で放送され、日本ハムから5位で指名を受けた創価大の望月大希投手(22)がVTR出演。11年前に亡くなった父と、支えてくれた家族への感謝の思いを語った。

 長身から投げ下ろす角度あるストレートと変化球を武器とする右腕としてドラフト候補に名を連ねた望月。ここまで必死に野球を続けてこれたのは、家族の支えがあったからだ。

 望月が10歳の時、野球を教えてくれた父が病気により他界。大黒柱を失った家族は思い出の詰まったマイホームを売り払い、家賃7万円のマンションに移り住むことになった。

 「家族4人で暮らすにはちょっと狭いって感じで、お金がないんだなとは感じました」と望月は当時の印象を振り返る。まだ学生の兄と姉、そして末っ子の大希…家族4人を支えるため、母・美雪さんは昼夜問わず必死に働いた。それでも家計は苦しく、兄・悠佑さんに「野球を続けさせられない」と涙ながらに告げる。

 「最初は悔しかった。なんで俺はできないのに弟はできるんよって。嫉妬が大きかったです」と悠佑さん。高校へ進学すると野球部に入らずアルバイト漬けの日々となった。それでも大好きな野球を諦めきれず、夢を弟である大希に託すことを決断。アルバイトで貯めたお金で弟にグラブをプレゼントした。

 「お兄ちゃんが帰ってきたときに“あげるよ”って言われたのがグローブで。ドッキリみたいな感じでもらいましたね」と照れ笑いしたが、今でもそのグラブは大切にとってある。母・美雪さんは「自分ができなかったから、弟にはそういう思いをさせたくないという兄弟の絆を感じましたね」と目を潤ませた。

 その後も兄・悠佑さんは節目ごとにグラブを贈り、望月は期待に応えるように高校、大学と着実に経験を積んだ。そしてついにドラフト指名候補に。「絶対自分はプロになるんだっていう強い気持ち。今まで野球をやらせてくれてありがとうという気持ちです」と、今度は自分が家族を支えるという強い気持ちを持って運命の日を待った。

 そして当日、家族4人で指名を待った。長い長い沈黙の中、日本ハム5巡目でその名が呼ばれた。「よかった~!!!!」と4人そろって喜び合うと、自然と涙があふれ出た。「半分諦めかけていたところもあって、でもこうやって自分の名前を呼ばれてホッとしています」と望月。「お父さんのおかげで今の自分があるので、ありがとうという言葉をかけたいですね」と目を潤ませた。

 働き詰めの中でも笑顔を絶やさず支えてくれた母、夢を託してくれた兄、高校を出てすぐに働き始め、家計を支えてくれた姉。望月は「野球を始めて16年、お父さんが亡くなって11年。今でも野球を続けることができるのは、3人の支えがあったから」と家族へあふれる感謝の思いを手紙に託した。険しく厳しいプロの世界に飛び込むが、家族への思いを胸に大舞台で活躍する姿を届ける。

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