阪神 福留3位に迫る3点弾 メッセ引退に「“まだできるんじゃないの”というのもあるけど」

[ 2019年9月14日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神7―1中日 ( 2019年9月13日    ナゴヤD )

3回表1死二、三塁、福留は右越え3ランホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神は13日の中日戦(ナゴヤドーム)で7―1と快勝。3回に1点を先制しなお1死二、三塁から、福留孝介外野手(42)が右越え9号3ランを放ち、一気に勝機を引き寄せた。負ければ5位に転落する一戦を制し、逆に3位・広島が敗れたため再びゲーム差は3・5に接近。リーグ最年長のベテランは最後まで諦めない。

 ナゴヤドームの広さなど全く関係なかった。まさに打った瞬間の一発。美しいスイングで振り抜き、絵になる“バット投げ”を決めると、福留はゆっくり一塁へ走り出した。

 「若い人がいい形でつないでくれたので、その勢いに乗って打つことができた。ああやって追加点が取れたのは良かった」

 新人コンビの躍動に続いた。3回1死一塁から木浪、近本の連打で1点先制。なお1死二、三塁から柳の内角直球を右翼席中段に運んだ。8月24日ヤクルト戦以来の9号3ランで、5年連続の二桁本塁打に王手。42歳シーズンでの10本塁打となれば、阪神では75年アルトマン、11年金本に続く3人目の快挙だ。

 また一人、戦友がユニホームを脱ぐ。投打の大黒柱としてともにチームを支えてきたメッセンジャーがこの日に引退を表明。「自分の思っているものと実際のパフォーマンスの違いとか、いろんな葛藤があったと思う。本人が決めたこと」と気遣いながら、「お疲れさまというのはあるし、年齢的には僕よりも下だし“まだできるんじゃないの”というのもあるけど」と神妙な表情を浮かべた。

 プロフェッショナル同士、通じ合う部分も多かった。例えば外野フェンス際のファウルを必死で追いかけて捕れなかった時。「ランディはこっちを見て手を挙げて、必ず守備位置に戻るまで待っていてくれる。若い投手は自分のことでいっぱいで、すぐ次の打者に投げようとするからね」。若虎には「外国人というのは関係なく若い選手たちが学んでいく姿勢だった思う」と、その姿勢を継承してくれることを願った。

 0・5差に迫られていた中日に快勝。広島とは再び3・5差。どんなに厳しくても福留の辞書には「諦め」の二文字はない。
(山添 晴治)

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2019年9月14日のニュース