阪神 メッセンジャー 現役引退を表明 原因は長年の蓄積疲労による右肩不調

[ 2019年9月14日 06:00 ]

12日の2軍戦で相手打線につかまり、顔をしかめるメッセンジャー(撮影・坂田 高浩)
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 阪神のランディ・メッセンジャー投手(38)が13日、現役引退を表明した。この日、球団に意向を伝え、了承された。10年に来日し、開幕投手を6度務めるなど文字通り「エース」としてチームをけん引してきた希代の助っ人右腕。近年は右肩の不調に悩まされ、今季は3勝7敗と成績も奮わず2軍調整を続けていた。大きな目標としてきた日本通算100勝にあと2勝に迫っていた中で、ユニホームを脱ぐ苦渋の決断を下した。

 絶大な力、存在感、そしてタイガースへの愛を表現してきたマウンドを、メッセンジャーはついに降りる。引退を決断したのは、この日の午前。10時からの2軍全体練習に参加し、約1時間トレーニングを行った後、愛車のハンドルを握って鳴尾浜球場をあとにしていた。練習の前後で国際スカウトを通じて現役引退する意向を球団に伝え、了承された。

 ナゴヤドームで対応した谷本球団本部長は「あれだけ長年に渡って投げ続けてきた投手ですので肩肘の疲労もあったでしょう。潔くユニホームを脱ぎたい申し出がありましたので、これまでの功労に感謝しつつも認めたというところです」と寂しさを隠さなかったものの、本人の決意を尊重した。

 「豪腕」としてのプライドが“別人”の自分を許さなかった。決断の大きな要因となったのは前日12日の四国アイランドリーグplus・徳島との練習試合での投球内容と見られる。4回まで零封も5回に制球を乱すなど4失点。何より全盛期は150キロを超えた直球の球速は147キロ止まりで、球威にも納得できなかった。

 一夜明けても、ファーム関係者に本格派投手とかけ離れた状態に悲観的な言葉を口にしていたという。原因は長年の蓄積疲労による右肩の不調。今季も2軍降格中の7月下旬に米国へ一時帰国して治療に専念するなど、あらゆる策を講じてきたが“相棒”はもう限界だった。

 来日1年目に中継ぎから先発に転向したことが転機となり、今季も含め5年連続6度目の開幕投手を務めるなど、名実ともに「エース」に登り詰めた。昨季国内フリーエージェント権を取得して今季からは日本人扱いとなり心機一転、チームへの献身を誓っていた。あと2勝に迫っていた日本通算100勝には「今年一番の目標」と口にし続けてきたが、目前にしてユニホームを脱ぐ。

 今後、CS進出を目指す1軍の状況に関わらず2軍での登板はない。谷本本部長は「そんな形を作ってあげられたら」と甲子園での引退セレモニーなどを検討し、球団として何らかのポストを準備する考えもあるという。

 積み上げてきた実績を思えば、あまりに孤独で寂しいランディの“幕引き”。色あせることのない数々の力投、熱投を誰もが噛みしめる時間が訪れてしまった。(遠藤 礼)

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