阪神・西 豪雨被害の地元・菰野町に勇気届ける8勝目

[ 2019年9月14日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神7―1中日 ( 2019年9月13日    ナゴヤD )

8勝目を挙げてファンの声援に応える西勇輝(撮影・北條 貴史)
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 4位の阪神は13日の中日戦に快勝した。先発の西勇輝投手(28)が7回を被安打5の4奪三振、1失点の力投。ナゴヤドーム5度目のチャレンジで自身初勝利を納め、今季8勝目(8敗)をマークした。3位の広島が巨人に敗れたため、ゲーム差は再び3・5に接近。逆転でのクライマックス・シリーズ(CS)進出へ、望みをつないだ。

 
 中日時代の福留に憧れ、幼少期によく通ったナゴヤドームで西が待望の初勝利を挙げた。オリックス時代に3度、阪神で2度、通算5度目のチェンレンジでついに“鬼門”を突破した。準地元ともいえる場所でつかんだ8勝目は格別だった。6日未明からの大雨で出身の三重県菰野町は被害も大きかっただけに、勇気を届ける117球だ。歓喜のインタビューで、地元への思いをマイクに乗せた。

 「今までナゴヤドームで勝てていなかったので、友人もたくさん来てくれて、勝てて良かった。(先日の大雨で菰野町は被害が大きく)少しでも勇気を与えられて良かった」

 12個の内野ゴロが示すように、テンポのいい投球もさることながらバットも光った。4点リードの6回だ。2死二塁から前進守備の右翼頭上を越える適時二塁打を放った。カウント3―1から直球1本に狙いを定め、コンパクトに振り抜いた。昨季5打点の藤浪、同4打点の秋山以来となるシーズン4打点目を今季初の長打で奪った。パ・リーグからセ・リーグ移籍初年度の投手の打点記録を既に更新している男は「三塁にいたり二塁にいたり、僕というより前の打者に感謝したい」と謙虚に頭を下げた。

 メッセンジャーの現役引退が決まったこの日。西も少なからず影響を受けた一人だった。「僕は短い時間ですけど、阪神にたくさん貢献してきた方。先頭に立って頑張る姿は後輩にも伝わる」――。8月24日のヤクルト戦から自身3連勝。先発した直近9試合でチームは8勝1敗と安定感は随一だ。大黒柱の風格すら漂ってきた。

 今季の投球回は159回1/3に伸び、リーグ2位タイ。最低目標に掲げる160イニングどころか、オリックス時代の13年にマークしたキャリアハイの166イニング更新も現実味を帯びてきた。「欲を出さず、自分らしい投球ができればと思っているので。我を出さないように、客観視して冷静にいければ、おのずと超えてくると思います」。いざ、逆転でのCS進出へ――。移籍初年度の右腕がその旗手になる。(吉仲 博幸)

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