【和歌山】古豪・桐蔭 エース坂口の同点犠飛と無安打救援で3年連続8強

[ 2019年7月23日 12:41 ]

第101回全国高校野球選手権和歌山大会 3回戦   桐蔭5―4紀央館 ( 2019年7月23日    紀三井寺 )

<桐蔭-紀央館>8強進出を決め、喜ぶ坂口(右)、花田の桐蔭バッテリー
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 右腕の先発、下手投げの2番手が打たれて3―4と逆転を許した6回表、桐蔭の背番号「1」、左腕の坂口健心(けんしん=2年)は「ここで断ち切る」という思いでマウンドに上った。

 「心も体も準備はできていました。ピンチでのリリーフはあまり経験がなかったのですが、いつも通りの投球をすればいけると思っていました」

 なお1死一、三塁のピンチ。初球スクイズは得意のスライダーでバントを空振りさせて三塁走者挟殺で2死。さらに三振で追加点を防いだ。

 その裏、1死満塁で巡ってきた打席。追い込まれながらスライダーを右翼へのライナー性の犠飛となって同点。直後、暴投で勝ち越した。

 「実は、バッティングは最近全然ダメでした。反対方向を狙って右肩の開きを気をつけていたら、スライダーに反応できました」

 この1点のリードを最後まで守り切った。カーブ、スライダーの変化球で緩急をつけ、タイミングを外した。3回2/3を無安打、5三振を奪う好投だった。

 「そうですか。ノーヒットとは知りませんでした」。表情を変えずに投げきり、勝利の瞬間、捕手・花田実智成(2年)とのハイファイブでやっと笑顔を浮かべた。

 坂口にとって、この紀三井寺のマウンドには苦い思い出がある。1年生で背番号「13」で臨んだ昨年の和歌山大会準々決勝、紀北工戦。ちょうど1年前のこの日7月23日だった。「あの日のことは絶対に忘れません。あんな悔しい日はありませんでした」

 2点リードの8回表から登板したが、4四球を与え、バントの1死から奪えず降板。逆転で敗れた。

 「僕は“緊張しい”なんです」と言う。あがり症である。「あの日も自分が何をどうしていたのかよく覚えていません。緊張しないようにするためには自分で練習するしかない。練習でここまでやった、と思えれば、マウンドでも緊張しなくなると思うんです」

 苦しい日々を乗り越えて「1」を背負った。目標はむろん甲子園。昨秋は0―10と完敗だった智弁和歌山に、今春の県大会準決勝では坂口が投げ、0―4と接戦を演じた。「智弁や市高(いちこう=市和歌山)に勝たないと甲子園に行けないのは分かっています。でも先は見ずに、まずは次の試合。一戦一戦勝ち上がっていきたい」

 明和中時代は中学硬式野球(ヤングリーグ)の和歌山ビクトリーズで過ごした。準々決勝で対戦する那賀のプロ注目の好投手、谷脇弘起(3年)や同じくプロ注目の和歌山東・落合秀市(3年)の1年後輩にあたる。

 旧制・和歌山中で創部は1897(明治12)年。夏の大会(予選)には1915(大正4)年の第1回大会から一度も休まずに出場し続ける“皆勤15校”の1校。春の選抜は21世紀枠で2015年に出場。夏は1986(昭和61)年以来、33年ぶり21回目の甲子園出場を目指す。

 スタンドで観戦していた和中・桐蔭野球部OB会の新島壮(つよし)会長(70)も坂口をたたえ「やっぱり背番号1がマウンドに上がると、引き締まる」と頼もしくみていた。(内田 雅也)

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