阪神・陽川、生き残りへ執念ゴリラ2号「良い形で捉えることができた」スタメン起用応えた

[ 2019年7月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-4中日 ( 2019年7月15日    ナゴヤD )

3回、陽川は同点となる右越えソロホームランを放つ(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

  1打席に生き残りをかける男が、意地のアーチを懸けた。15日の中日戦でスタメン出場した阪神・陽川が、自慢のパワーを見せつけたのは1点ビハインドの3回だった。

 「回の先頭だったので、しっかり強いスイングをして塁に出る意識だった。良い形で捉えることができた」

 5球目の147キロ直球を振り抜くと打球はグングンと伸びて右翼スタンド最前列に着弾。4月24日のDeNA戦以来となる今季2号の同点ソロで、2回まで完ぺきに封じられた大野雄に一矢報いると、ベンチ前ではチームメートより先に矢野監督が“ゴリラポーズ”で祝福。仲間とも胸を叩いて喜びを分かち合い“ゴリラ弾”がベンチのムードを高めた。

 勝負の一戦になることは分かっていた。球宴ブレーク明け初戦で3日のDeNA戦以来となるスタメン出場。左腕・大野雄対策として抜てきされ、いきなり最高の結果を出した。この日は、左翼で先発。2軍では福留も実戦復帰間近とあって、精彩を欠けば2軍降格の危機すらあった。

 だからこそ、その後の2打席で凡退したことが何より悔しい。試合後も「1打席目はああいう形で結果は出ましたけど、その後の打席の反省が多い」と険しい表情を崩さず。毎日、出番を与えられる立場でないだけに、快音を響かせても安心はしていられなかった。

 ただ、流れは来ている。16日に先発予定の松坂とは昨年は5打数3安打2打点と結果を残しており“キラー”として2試合連続のスタメン出場の可能性も十分。アピールのチャンスはまだまだ残されている。

 「今日は今日なんで。しっかり切り替えて、また明日頑張りたい」。1打席の重みを知る今、安息の時間はない。持てる力を出し切り、1軍にしがみつく。(遠藤 礼)

続きを表示

この記事のフォト

2019年7月16日のニュース