阪神・糸原、意地の勝ち越し打「西さんに負けられない」

[ 2019年5月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7―3中日 ( 2019年5月10日    甲子園 )

2回2死一、二塁、勝ち越し適時打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズの糸原(撮影・北條 貴史)
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 阪神・糸原が価値ある一打を叩き出した。マルテの2ランで追いついた2回。西、近本の連打で築いた2死一、二塁から、又吉の2球目をとらえた。145キロに詰まりながらも、打球は遊撃の頭上を越える勝ち越し打。4月7日の広島戦以来今季2度目となるV打で、前回同様に西を援護した。

 「西さんが野手顔負けのバッティングをしていたので、負けられないと思っていきました!」

 その後、打線がつながり、この回一挙5得点。同点のまま攻撃を終わらなかったことで、主導権を握った。第1打席と第4打席ではいずれもフルカウントから四球を選んだこともさることながら、第2打席の見逃し三振は10球を投げさせた。「2番としての仕事はできている」と言うように、本来の粘り強い打撃が発揮され始めた。

 明朗なキャラクターでチームの進撃を支える。練習では笑顔を絶やさず、時に大きな声で盛り上げる。その姿勢は思うような結果が出なかった開幕直後から不変。年下選手から呼び捨てで「糸原!」といじられても、「糸原“さん”な!」と突っ込み場を和ませる。その一方で、福留らベテラン選手とは砕けた様子でコミュニケーションを取ることも。キャプテンとして、明るい雰囲気づくりにも精を出す。

 試合後の取材時、背後を通った矢野監督から「ケントのタイムリーが大きかったな!」と背中を叩かれた。数字に現れない部分でも貢献を続けてきたナイスガイに、目に見える結果が増え始めた。チームの真の実力が発揮されるのは、これからかもしれない。(巻木 周平)

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2019年5月11日のニュース