大谷の「鈍感力」に雄星も感心「あいつ、全然気にしないんですよね」

[ 2019年5月8日 14:15 ]

タイガース戦の3回、スイングした際にヘルメットが脱げたエンゼルス・大谷
Photo By 共同

 プロ野球を長いこと取材していると、活躍する選手には、いくつかの共通点がある。

 なんと言っても、練習をたくさんできる選手だ。ドラフト上位で指名される選手というのは、正直、誰が見てもはっきり分かるようなポテンシャルを持っている。投手ならば速い球を投げるとか、打者ならば遠くへ飛ばす、足の速さが際立っているなどだ。

 エンゼルスの大谷は、160キロを超える剛速球を投げ、140メートル以上を本塁打をかっ飛ばせる天才だが、同時に練習熱心だった。いわゆる「努力できる天才」だ。取材したのは日本ハム時代だが、オフ期間、キャンプ中の過ごし方を見ていれば、それは明らかだった。

 当時は「大谷ルール」と呼ばれる「外出禁止」がよく注目されたが、栗山監督への報告が必要なだけで、厳密的には外出禁止ではなかった。実際に、大谷が食事しているところに出くわしたこともあるし、他の若手とスイーツを楽しんでいるところを見たこともある。それでも、浮ついた様子はなかった。

 もうひとつ。いろんな環境に困惑することなく対応できる力だ。「鈍感力」とでも言ったらいいだろうか。以前、花巻東の先輩であるマリナーズの菊池に聞いたことがある。オフに、母校で練習したときの様子だ。「プロのボールと違って、高校の練習で使っているボールは違うじゃないですか。あいつは、そんなのも全然気にしないんですよね」と感心した様子だった。

 プロのボール、とくに1軍ならば練習球といえども、きれいなボールを普段から使っている。ところが、高校の野球部となれば、状況は違う。使い込まれたボールの表面は皮も痛んでいるし、雨などの水分を含めば重さも変わる。バットで何度も叩かれてボールの形だって多少は歪む。投手は特に繊細だというが、大谷は必要以上に気にすることなく、普通に練習していたというのだ。

 大谷が打者として、ついにメジャー復帰した。右肘を手術してから苦労もあっただろうが、リハビリ中も、強いストレスを感じているような声を聞くことはなかった。どんなときも、いい意味で「鈍感力」を発揮できる。ここからどれくらいの数字を残してくれるだろうか。大谷が復帰したことで、また楽しみが一つ増えた。(記者コラム・横市 勇)

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