雄星魅せた「全力9球」 初の「ショートスターター」大成功

[ 2019年4月28日 05:30 ]

ア・リーグ   マリナーズ5-4レンジャーズ ( 2019年4月26日    シアトル )

<マリナーズ・レンジャーズ>「ショートスターター」として1回完全の菊池
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 マリナーズの菊池雄星投手(27)が26日(日本時間27日)、平成最後の登板となったレンジャーズ戦で日本人大リーガー初の「ショートスターター」として先発。1回をわずか9球、無安打、2奪三振で無失点に抑えた。負担軽減のためのマウンドでスライダーとチェンジアップの改善に成功し、課題の立ち上がりも克服。令和へ向けて確かな手応えをつかんだ。

マウンドを降りたのは4時間以上も前だった。午後11時16分、延長11回サヨナラ勝ち。菊池は「正直、投げたことも忘れていた。そのくらい早いというか…」と初めてのショートスタートを冗談めかしたが、手応えのマウンドだった。

 1回をわずか9球、2奪三振の完全投球。「1回だけなので全力で投げようと」。プレーボールからマウンドにいたのは、試合時間4時間6分のうち、たった3分38秒だった。前回登板の20日、メジャー6戦目だったエンゼルス戦で初勝利。だが、「最初から全力で投げようと思っても、どうしても状態を探ってしまう」と序盤に失点を重ねる内容は改善できずにいた中、シーズン完走を見据えた負担軽減が目的の起用法でヒントを得た。

 「先を見ずに全力で投げる意識。その積み重ねが長いイニングにつながる。持っているものを初回から出せるように」。2年前、不振から一時、中継ぎに回ったドジャースの前田と同じ言葉。1球目から出力全開、圧巻の9球だった。

 エース左腕の金言も生きた。3日前。なかなかスライダーで空振りが奪えない状況に、既に5勝のゴンザレスから助言された。「ブルペンからカウント球と決め球を意識して投げ分けろ」。この日の2三振はともにスライダー。新球チェンジップでもメジャーで初めて空振りを奪い「次につながる」と喜んだ。

 次回登板は5月3日(同4日)のインディアンス戦の予定。「毎日、吸収しながら楽しくやれている。未来もいいものにしたい」。改元直前のマウンドで得た収穫を手に、新時代のスタートを切る。

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