杉本正氏 ソフトB・甲斐野の投球絶賛「文句ないフォーム」

[ 2019年4月16日 08:30 ]

甲斐野の投球フォーム
Photo By スポニチ

 ソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央(22)がセットアッパーとして実力を発揮している。元ソフトバンク投手コーチの杉本正氏(スポニチ本紙評論家)が投球フォームを分析した。

 甲斐野は欠点のほぼない、文句のつけようのないフォームだろう。上げた左足の爪先が下を向き、無駄な力が入っていない。左膝も内側に絞られ、右足の股関節の上に体重が乗っている。軸がしっかりした理想的な形だ。

 足を下げるときが特に素晴らしい。左肩が開かず左の腰、膝、足首も「閉じて」いる。開かずに我慢することで左サイドの壁がしっかりとできており、威力ある直球を生み出すパワーをため込んでいる。野球少年の参考になると思うが、肩と平行な位置から手前に引くグラブの使い方もうまい。

 ためたパワーをリリースで一気に爆発。広背筋など上体の強さも感じられ、それも強いボールを投げられる要因の一つだ。振りかぶったあとでは今度は左足の股関節の上に体重が乗っており、スムーズな体重移動を裏付ける。

 甲斐野はここまで全投球に占めるストライク率が59・2%と非常に高い。体が開かないことで右肘が体から離れない。フォームのズレが少なく、腕の軌道がぶれないことが制球の安定感につながっている。将来の守護神候補。本当に楽しみな存在だ。

 ≪新人連続HPどこまで≫甲斐野(ソ)は初登板からここまで7試合連続でホールドポイント(HP)、2戦目から6試合連続でホールドを記録している。新人の連続HP、連続ホールド記録はともに12年田島(中)の10試合となっているが、どこまで迫れるか。また、開幕から10戦以上連続でHPを記録した投手は07年ウィリアムス(神)10試合、15年バリオス(ソ)17試合の2人だけ。甲斐野が継続すれば日本人初となる。

続きを表示

2019年4月16日のニュース