習志野「美爆音」と大阪桐蔭&東邦「極上音」が決勝で超絶“セッション”

[ 2019年4月4日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会決勝   東邦6―0習志野 ( 2019年4月3日    甲子園 )

<東邦・習志野>習志野のアルプススタンド(撮影・北條 貴史) 
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 決勝戦は両アルプスからの“声”がやたら、こだました。一塁側には習志野吹奏楽部143人が奏でる「習志野サウンド」。三塁側アルプスには東邦34人のマーチングバンド部と友情応援の大阪桐蔭吹奏学部120人の「TT音」。実に良質なサウンドが、両ナインを盛り上げ続けた。

 「もともと部員数が多くて“爆音、爆音”と言われていたので前の顧問の先生が音をそろえて大きな音で、美しい、心地いい、温かい音を奏でようとの思いで努力したところ“美爆音”という造語が一人歩きしたんです」

 習志野吹奏学部の海老沢博顧問(40)は美爆音秘話を明かした。

 吹奏学部は“ブラバンの甲子園”とも言われる、毎年10月に名古屋の国際会議場で開催される全日本吹奏楽コンクールで23回「金賞」を獲得。現メンバーは、昨秋に「銀賞」を獲得していた。2回戦・星稜戦(石川)では「声援が大きすぎる」との近隣住民からの苦情が届いたため、3つ持参した大太鼓を1つだけ使用し対処した。

 大阪桐蔭&東邦のタッグ音による、ブラバン対決にも注目が集まったが習志野側は、むしろ大歓迎だった。昨年6月に千葉・幕張メッセでのコンサートで演奏し合った経験もあり、海老沢教諭は「音は戦うものじゃないんです。奏でるもの。対抗意識はありません。今大会でも東邦さんとのアルプス入れ替えの際に大阪桐蔭の吹奏学部が“レッツゴー習志野”にノって歌ってくれたんですよ。実は、私、大阪桐蔭さんの音が大好きなんです。“YouTube”で聞いてます」と、ノーサイドを強調していた。

 一方で三塁側アルプス、東邦マーチングバンド部の白谷峰人顧問(43)は多少、鼻息は荒めだった。「意識は当然、ありますね。“美爆音”には“極上音”で対抗したい。習志野さんとは5、6年前に合同練習をさせて頂いたこともあります。大阪桐蔭さん、習志野さん、ともに全国大会などでは雲の上の存在ですが応援対決も制したい」と話していた。 声援の結果は、ともに応援団優秀賞に選出される“ドロー”の結末に。野球の結果は東邦に軍配が上がった。

 「甲子園で一緒に演奏できる。こんな幸せなことはない。最高でしたよ。向こうは顧問の先生がタクトを振るっていますが、うちは生徒が指揮をします」と海老澤教諭。「美爆音」を指揮した酒井悠歌(はるか)吹奏学部部長(3年・男子)は「勝っても負けても、ともに盛り上げたい気持ちは一緒でしたね。また一緒にやりたいです」と夏の再競演を心待ちにしていた。

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