巨人・岩隈「開幕に投げる」復活へ選んだ新天地、“大将”原監督の言葉が決め手

[ 2018年12月9日 05:30 ]

「BE A HERO プロジェクト」のイベントに出席し参加者と記念撮影する岩隈(撮影・後藤 正志)
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 巨人入団が決まった前マリナーズの岩隈久志投手(37)が大阪市内で8日、自身が発起人を務めるいじめ撲滅プロジェクトのイベントに参加した。8年ぶり日本球界復帰が決まってから初の公の場。昨年9月に手術した右肩の状態は良好で、来季開幕ローテーション入りを目指す意向を明かした。

 温和な表情と口調が、右肩の経過の順調さを表している。岩隈は「来年の4月、開幕に投げられるようにと思ってトレーニングをずっと続けている。しっかりと準備したい」と行く先を見据えた。来季開幕は3月29日。ローテーション投手として、シーズンの最初から戦うつもりだ。

 手術明けだった今季はメジャー登板なしも、「感触はいい」と言うほどに回復した。オフは何年間も年明けまでノースローだったが、今年は強めのキャッチボールで調整中。自主トレを毎オフ行っている米ロサンゼルスに今月中に渡り年明けのブルペン入りに向けた体づくりへと段階を踏む。100%の状態で開幕に臨む意向を問われると「もちろんです」と力強く言った。

 古巣楽天も獲得に乗り出す中で、日米通算170勝右腕は巨人を新天地に選択。決め手は、原監督から直接掛けられた「一緒にジャイアンツが優勝するための戦力として戦ってほしい」という言葉だった。「熱い思いを伝えていただいた。必要とされているところを望んでいた」。09年WBCでともに世界一連覇。再び同じユニホームに袖を通し、5年ぶりV奪回を目指す。

 当時の印象は「監督というより“大将”みたいだった」と鮮明に残っている。松坂(現中日)、ダルビッシュ(現カブス)と3本柱を担う中で、チーム全体を包み込むようにまとめる雰囲気を感じたという。「堂々と自分のパフォーマンスを発揮することができた」と、来季は原監督の前で完全復活を期す。すでに「先発一本で」と伝えられている。

 楽天から12年にマリナーズに移籍し、15年にはノーヒットノーランを達成した経験豊富な37歳。自身を「野球のプレーヤーとして、チャレンジャー」と形容し、覚悟をにじませた。 (神田 佑)

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