虎の西 決意新た「子供たちの憧れに」入団表明一夜明け“母校に錦”

[ 2018年12月9日 05:30 ]

母校・菰野高での野球教室で、地元の少年たちにアドバイスをおくる西(撮影・大森 寛明)
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 オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言し、阪神入りを表明した西勇輝投手(28)が8日、三重県三重郡菰野町の母校・菰野高校で野球教室を行った。地元の野球少年、少女とふれ合った右腕は憧れの存在となるべく新天地での躍動を宣言。原点の地で決意を新たにした。

 移籍表明から一夜明け、西は大阪から約140キロ離れた母校のグラウンドの土を踏んでいた。悩みの消えた表情には、笑顔がにじむ。寒風吹き付ける中、菰野町内の小中学生約150人に指導して、心も温まった。

 「なかなか時間のない中で、自分もそうですし、少年野球の子も短い時間でしたけど、笑顔は忘れないでやって欲しいということはずっと言っていたので。(子どもから)憧れられる選手になりたかったので、これを継続して頑張っていけたらと思います」

 先だって行われた開会式のあいさつでは「所属は阪神タイガースになりました」と自己紹介するなど、「虎の西」として元日本ハムの市川、元巨人・辻、広島育成・岡林など同高OBのプロ野球経験者と、約2時間、キャッチボール、ロングティーなどを指導した。

 バッテリー組の投球練習では「なるべく同じところでリリースするように」などと、投手陣に的確な助言。捕手には「投手によって褒めたり、注意したり、人をみて」と柔軟なアドバイスも送った。

 高校時代を過ごした原点の地で、大志を抱く子どもたちの姿を目の当たりにした。「プロとして」、そして「タテジマ戦士」として。闘志が奮い立ったことは言うまでもない。

 「短い時間で集中して(子どもたちと)時間を共有できたのは良かった。地元の子たちに夢を与えられる選手になりたいので、(阪神で)注目される立場ですけど、変なプレーはしないように頑張っていきたいですね」

 オリックス時代とは比べものにならない期待と重圧を背負うことになっても、信念はブレない。甲子園のマウンドで夢を与える投球を体現し、故郷の子どもたちの「ヒーロー」になって見せる。

 帰り際には、悩み抜いた1カ月を終え「練習に集中できます」と大きくうなずいた。新たな挑戦へ、刺激を得た1日になった。(遠藤 礼)

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