阪神・矢野監督「寂しい」12球団唯一…1軍表彰選手ゼロ

[ 2018年11月28日 06:13 ]

NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD ( 2018年11月27日 )

各賞を受賞し表彰された阪神の(左から)島田海吏、板山祐太郎、矢野燿大監督、青柳晃洋、伊藤和雄、福永春吾(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 阪神・矢野燿大監督(49)は27日、都内のホテルで開催された「NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」のファーム表彰式に出席し、ウエスタン・リーグとファーム選手権の優勝監督として表彰を受けた。昼過ぎの表彰式で壇上に立つと、とうとうと喜びを語った。

 「本当に充実したシーズンになりました。来シーズンは僕も立場が変わり、1軍の監督となります。来季は1軍でこのアワードにたくさん、選手が呼んでもらえるように、プロ野球全体を盛り上げていけるように僕自身、精いっぱい頑張っていきたいと思います」

 今季は2軍を率いてウエスタン・リーグ、ファーム選手権を制覇。この日は5選手が表彰を受けたが、あくまで2軍の話で、心の底からは喜べない。その思いはスピーチの行間にあふれた。夕方から開かれた1軍表彰に、阪神選手はおらず……。自然と指揮官の口調も重くなった。

 「うん、寂しいね、それは……」

 ベストナイン、投打の記録表彰など1軍表彰の対象選手がいないのは、12球団で阪神のみ。最下位に沈んだとはいえ、あまりに寂しい結果だ。だからスピーチで「来季は1軍でこのアワードに」と口にしたわけだ。

 だからと言って、表彰選手を送り出すことが矢野監督の目的ではない。その候補となる選手を育て上げることこそ、矢野阪神1年目の使命だ。

 「もちろん最後に獲れるようにはしてほしいけど。俺がするところは、そこの結果というよりも道中だから。1人でも2人でも結果的に獲ってくれるというのは、すごくうれしいことやし。個々の選手は、そういうものも励みになるから目指していってくれたらいい」

 チーム内競争を制した選手が試合出場の権利を得る。その先に個人記録が見えてくる。「ウチは競争だから。競争して(争いを)激しくさせることがまず俺の仕事。そこを突き抜けて行ったヤツは個人記録を目指すことにもなっていく」。弱肉強食の争いが激しければ激しいほど、結果的にチーム全体のレベルを上げる。指揮官が目指すのは、まさにそこだ。(惟任 貴信)

続きを表示

この記事のフォト

2018年11月28日のニュース