鳥谷が神ってる!コイ止めた“満塁男”2点二塁打「もう2つ勝ちたい」

[ 2017年4月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―2広島 ( 2017年4月14日    甲子園 )

<神・広>3回1死満塁、鳥谷は右翼線に2点二塁打を放つ。投手・加藤
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 コイの勢いをトリが止めた!阪神の鳥谷敬内野手(35)が14日、広島戦(甲子園)で千金の2点タイムリーを放った。原口の押し出し四球で先制点を奪った直後の3回1死満塁から右翼線二塁打。自身、今季初の長打で、満塁では5打数3安打4打点となった。広島の連勝を「10」で止めた金本阪神は、今季初の4連勝。貯金も今季最多の3となり、いよいよ上昇気流に乗ってきた。

 敵の勢いに歯止めをかけた一撃だった。先制点を奪った直後。3回1死満塁からの第2打席だ。「積極的に行こうと思った」。この言葉通りカウント1ボールからの2球目を強振。ストライクゾーンに来たフォークを鳥谷のバットがとらえた。

 「みんながつないで回ってきた打席でしたし、四球のあとだったので、甘めの球をしっかり振っていこうと思っていた。とらえることができて良かった。打った瞬間、ヒットだとわかった」

 確信の一打だった。右翼線に運んだ打球は今季初長打となる2点適時二塁打。初対戦となった先発の加藤は前回7日のヤクルト戦(マツダ)では9回1死まで無安打無得点の快投を展開していた。苦戦も予想されたが、そうはさせない。好機を確実に生かし、10連勝中の強敵相手に主導権を握った。

 「2打席目でしたし、その前の打席で球種も見ていた。(広島は10連勝しており)何とか先に点を取って試合を優位に進めたいと思っていた」

 鳥谷にとっても、今季は変革のシーズンだ。昨季は打率・236、7本塁打、36打点。大いに苦しみ、雪辱を果たすため打撃フォームの大幅改造に着手した。昨季は両手を大きく動かしてタイミングを取っていた。そのためボールまで最短距離でバットの軌道を描けず、バットが遅れて出過ぎていたため速球を打ち損じることが目立った。しかし、その反省から今年は手を動かさず下半身でタイミングを取る新フォームでばん回を狙った。

 「いい時も悪い時もあるが、いい時を続けていきたい。毎打席、毎打席切り替えている」

 汚名返上へ向けた新たな挑戦は打撃成績にも表れている。開幕から安打を量産。前日13日のDeNA戦(横浜)では開幕からの連続試合安打が9試合で止まったが、一夜にして再び価値ある安打を放った。また、今季は満塁の場面で5打数3安打4打点と勝負強さもよみがえっている。

 「いい試合が続いていると思う。明日、あさってとあるので何とかもう2つ勝ちたい」

 今季初のお立ち台では首位を走る広島戦での連勝を誓った。その言葉に虎党も大歓声で応えた。ただ、シーズンは長い。その長丁場の過酷さを誰よりも知る背番号1は、一瞬の喜びに浸ることはなく、明日だけを見つめていた。(山本 浩之)

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