広島 ドラ1バトン6連勝 加藤に続いた岡田初完封目前1失点

[ 2017年4月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―1ヤクルト ( 2017年4月8日    マツダ )

<広・ヤ>今季初勝利を挙げた岡田
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 赤く染まったスタンドから地鳴りのような歓声が湧いた。そのファンの視線を一身に集めた広島・岡田は小さく拳を握りしめた。2―0の8回2死一、二塁。バレンティンに、フルカウントからの6球目。ボールゾーンに逃げる143キロの高速スライダーで、空振り三振に仕留めた。

 「相手は打ち気でストレートを狙っていたと思う。打たれないように。四球でもいいという気持ちだった」

 初完封が懸かった9回にも続投し、「完投できればと思って力んでしまった」と1死から畠山に左中間への二塁打を浴び、続く中村に四球を与えたところで、交代を告げられた。それでも自己最多の147球。救援したジャクソンが連打されて1点を失ったが今季初勝利にお立ち台で「(気分は)いい感じ」とはにかんだ。

 緒方監督は「1週間でしっかり調整してくれた。大したもんだ。スタミナも素晴らしかった。去年は球数80球くらいで球の力が落ちていた」と2年目の成長を口にした。この日、9回に入っても球速150キロ以上を5球記録した。だからこそ、指揮官は「ここまで来たら(9回まで)投げきってほしかった。それだけの力があるんだから」と注文を付けた。

 1学年下のドラフト1位の新人・加藤が見せた熱投に、大きな刺激を受けた。9回1死まで無安打に抑えた投球をテレビで見ていた。「ノーヒットノーランしかけていたのを見て、自分もいずれ(達成したい)と思った。しっかりやらないとという気持ちにさせられた」。自らも15年のドラフト1位。黒田氏が昨季限りで現役を引退し、エース左腕のジョンソンも咽頭炎で離脱している。しかし、若き投手陣の競争意識は穴を感じさせない活力を生んでいる。

 開幕2戦目だった1日の阪神戦(マツダ)では、今季初登板で7四球と制球に苦しみ、両軍計28四死球の乱戦を招いた。きっちりと修正し、チームを6連勝、そして巨人と並ぶ首位に導いた。 (柳澤 元紀)

 ▼広島・ジャクソン(9回1死一、二塁のピンチで1点を失うも来日初セーブ)自分のボールを投げることに集中した。何球かは浮いたが最悪の事態は免れ、投げ切ることができた。

 ☆広島―阪神戦の28四死球 開幕2戦目の4月1日(マツダ)、広島・岡田は5安打7四球で6失点と4回KO。対する阪神・岩貞も5回まで5四球と精彩を欠いた。広島が9回に押し出し四球で同点とし、延長戦へ。9回までの計26四球は1937年の金鯱―ライオン戦以来、80年ぶりのプロ野球タイ記録となった。試合は延長10回の末、広島が9―8で勝利。5時間24分の激戦で計13投手が登板した。

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