梨田楽天 いてまえ快進撃 防御率最下位も打線猛威で7戦6勝

[ 2017年4月9日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7―4ロッテ ( 2017年4月8日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>6回無死、銀次は左翼線二塁打を放つ
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 天敵攻略。これが17年のニュー楽天打線だ!楽天は8日、ロッテ戦で銀次内野手(29)が適時打2本を含む3安打2打点の活躍。打線も昨季0勝3敗と苦手にしていたロッテ先発・涌井秀章投手(30)に6回途中までに139球を投げさせ、粘りの打撃で降板に追い込んだ。ここまでエース級を次々と撃破。チーム防御率最下位でもリーグ最高打率の打撃陣がカバーして首位をガッチリとキープした。

 止まらない。カットボール、フォーク、そして直球。銀次は天敵・涌井が投じたあらゆる球種をことごとくはじき返した。「集中して打席に入れた。うまくバットが出た」。昨季は9打数1安打の打率・111に封じ込まれ、チームも0勝3敗と苦しめられた右腕を見事に攻略。一丸となって相手に襲いかかる打線こそが、リーグ首位の原動力となっている。

 「簡単に三振したくない。一球でも多く投げさせよう、というのはみんなでやっているので」

 初回、銀次は2死二、三塁から先制の左前打。この回だけで打者7人、涌井に実に40球を投げさせた。3回2死二塁では中前適時打を放ち、今季は得点圏で5打数4安打の打率8割。選手会長は「ここぞ、という時に出た2本」と胸を張った。

 細かい雨が降り続く中、涌井は5回まで104球。「何とか球数を放らせて疲れさせる。ボディーブローのように」と梨田監督も話した通り、6回に一気に攻めかかる。銀次の初の猛打賞となる左翼線二塁打を口火に、一気に3点を勝ち越した。今季6勝目。うち5勝した際の相手はオリックス・金子、西、ソフトバンク・千賀、バンデンハーク、そして涌井とエース級がずらりと並ぶ。まさに「エース殺し」の打線。指揮官は一人一人の名前を自ら挙げて「粘りが出てきた」とうなずいた。

 試合前恒例の、練習ボードに礒部打撃コーチが書き込む「きょうのひと言」は「第1打席から集中して!!先制するぞ!!」。その集中&先制を銀次が実践した。昨季はリーグ5位の544得点に終わったが、「ボールを投げさせてしっかりつなぐ。去年の得点力不足は解消できると思う」と同コーチ。この日は全7得点が2死から。相手の嫌がる、ねちっこい打線に変貌しつつある。

 ここまでチーム防御率4・29はリーグワーストながら、同打率・266はトップ。「いてまえ打線」が猛威をふるった梨田監督率いる01年の近鉄も同様の形で優勝した。「明日は岸が初登板。援護したいね」と指揮官。球団創設13年目で初の開幕3カード連続勝ち越しへ、視界は良好だ。 (鈴木 勝巳)

 ▼01年の近鉄いてまえ打線 梨田監督就任2年目の01年、12年ぶりのリーグ優勝。同一監督で前年最下位からのVは76年の巨人・長嶋監督以来2人目だった。3番・中村が46本塁打、4番・ローズが55本塁打をマークし、チーム211本塁打はリーグトップ。9月24日の西武戦で中村が松坂(現ソフトバンク)から逆転サヨナラ2ランを放ってマジック1。同26日のオリックス戦では北川の代打逆転サヨナラ満塁本塁打で優勝を決めた。優勝チームの745失点はプロ野球記録となっている。

 ≪6勝は球団史上初めて≫楽天が7―1でロッテに勝ち、開幕7試合を6勝1敗の快進撃。過去、楽天の開幕7試合消化時の最多勝利は09、13年の5勝。6勝は球団史上初めてだ。ここまでチーム打率は.266でリーグ1位。得点圏打率も.348と2位のオリックス(.333)を上回りトップと勝負強い。また、今季はこの日を含め先取点を奪った試合に5勝0敗。昨季の楽天は先制した試合が両リーグ最少の56試合だったが、今季は早い仕掛けで開幕ダッシュに成功している。

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