侍J小久保監督「やるかやられるか」米国撃破ポイントは3つ

[ 2017年3月22日 05:30 ]

WBC準決勝   日本―米国 ( 2017年3月21日    ドジャースタジアム )

練習を見つめる(左から)山本氏、小久保監督、原氏
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪還を期す侍ジャパンは21日(日本時間22日)に準決勝、米国との大一番を迎える。20日(同21日)に決戦の舞台となるドジャースタジアムで全体練習を行い、小久保裕紀監督(45)は環境全てを味方につけることなど、打倒・米国へのシナリオを描いた。前回13年大会で散った準決勝突破へ。侍戦士の出陣だ。

 天下分け目の戦いとなる。昨年8月にドジャースタジアムを訪問してから、光景を目に焼き付け、ナインと共に世界一を成し遂げる映像を頭に描いてきた。その舞台に立った。記者会見。米国戦を指揮官は「戦(いくさ)」と評した。

 「勝つために戦うのが“戦”。完全アウェーでの試合になると思うが、球場の雰囲気にのまれないことが大切になる。疲労はあると思いますが、やるかやられるかの一発勝負。しっかり調整してくれると思います」

 1、2次ラウンドの東京ドームで受けた歓声は地元・米国の応援に変わる。メジャー軍団を相手に気おされた時点で負ける。敵の地の利を消すには侍戦士の屈強な精神力が必要だ。「“USAコール”の中で試合ができるのを、逆に幸せに感じてやる」。全てをプラスに捉える。雨の予報も出ているが「侍は全天候型。雨であってもこっちの方が有利」と説いた。

 米国撃破へのポイントは3つある。

 (1)先手必勝。

 指揮官は「先発の時にある程度点を取って、リードした状態で後半に持ち込みたい」と話した。先発ロアークについては「びっくりするようなボールはない」と見る。逆に救援陣にミラー、メランソンらメジャーを代表する投手がおり、逃げ切る形で勝機を見いだす。

 (2)左打者と足。

 右腕ロアークの攻略には左打者が不可欠だ。「左打者は数が限られているが、どう使うかをしっかり考えたい」。足も使える秋山は先発濃厚。2次ラウンドまで3番で打率・200と本調子ではなかった青木の配置も熟考する。ロアークは投球動作開始から捕手に到達するまで平均1・3秒以上とクイック投球は上手ではなく、昨季は盗塁を23回企画され、16回成功された。「あまり(戦略上)言いたくないが、足は使わないといけない」。得点力向上のポイントになる。

 (3)内角を攻め抜く。

 屈強なメジャー戦士にどう対するか。指揮官は「インサイドを突っ込んでいった方が菅野は幅が広がる」と話した。相手に踏み込ませず、軸となるスライダーを生かすためにも生命線になる。恐れず攻め抜く覚悟は投手陣全体にも問われる。

 過去1勝1敗の米国との決戦。心技体に将の戦略。全てがそろった時に前回準決勝で敗れたプエルトリコへの挑戦権が得られる。 (倉橋 憲史)

 ≪「先制の侍」か「逆転の米」か≫今大会の侍ジャパンは6試合中5試合で先制点を奪っている。うち、2次ラウンドのイスラエル戦の6回以外は全て2回までに先制。序盤から試合を優位に進めていることが分かる。一方、米国は6試合で先制したのは2試合だけ。4試合は相手に先制点を許している。ただし、先制された4試合のうち3試合が逆転勝利。1次ラウンドのコロンビア戦、2次ラウンドのベネズエラ戦、ドミニカ戦と3試合とも2点のビハインドをはね返し逆転勝利を収めている。

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