大野豊氏 侍Jの敗因分析 打線が動く球に対応できず 課題残した試合の中での準備

[ 2017年3月22日 14:06 ]

第4回WBC準決勝   日本代表1―2米国 ( 2017年3月21日    ドジャースタジアム )

<日本・米国>9回2死、空振り三振に倒れ、最後の打者となった松田 (AP)
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝トーナメント準決勝で侍ジャパンは米国に1―2で惜敗。2013年の前回大会に続いて2大会連続で準決勝で敗退し、悲願の世界一奪回はならなかった。この試合をスポニチ評論家の大野豊氏が振り返った。

 残念な結果になった。劣勢を跳ね返す強さ、僅差の中での強さを、もう一つ出し切れなかった。失点の仕方が悔やまれる。特に8回の決勝点。松田のジャッグルはあったが、その前にキンズラーに打たれた二塁打。防ぐ策はあったと思う。

 そして、いろんなタイプの投手を小刻みにつないできた米国に対し、打線が対応できなかった。大会前の準備段階から、米国のリリーフ陣のような変則的フォームで、なおかつ速い球を投げてくる投手への対策として、青木のアドバイスもあって早くタイミングをとっていくということをやってきた。それでも動く球に対し、試合中に対応ができなかった。情報を集めるという準備だけではない、試合の中での準備に課題を残した。

 選手はきついスケジュールの中で集まり、ここまでよく頑張った。目標を果たせず、精神的な疲労度もあると思うが、これから日本のプロ野球の開幕へうまく切り替えていってほしい。そして、この経験をチーム内で、特に若い選手に伝えていってほしい。野球、そして勝利に懸ける思い、国際大会で勝つことの難しさ…。そういうものを共有し、研究、努力して「強さ」を身につけていってもらいたいと思う。

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