打席で進化の大谷 投手復帰でも新たな姿に期待

[ 2017年3月22日 09:00 ]

打撃で進化した姿を見せている大谷
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 打席の中で雰囲気がある、というレベルではない。芯で捉えずとも、力と技でスタンドまで運ぶ。右足首痛から打者として実戦復帰した日本ハム・大谷がオープン戦で本塁打を量産している。

 3月18日の広島戦(マツダ)では昨季の沢村賞左腕・ジョンソンから引っ張ったような強烈な打球を左翼スタンド上段まで運んだ。翌19日には2年目右腕・岡田から右中間席へ2戦連続の一発だ。「少し“詰まった”けど感触は良かった」と大谷。同22日時点でオープン戦第3号はロッテ・ダフィー、阪神・高山、DeNA・白崎と並びトップ。これを出場5試合でやってのけているから驚きだ。

 昨年末には主砲の中田が「フリー打撃だったら日本で一番遠くに飛ばすと思う」と評した大谷の打撃。これが今年、さらに進化した。本人は「いろいろと変えた」と詳細を明かさないが、昨年より左肘を高く掲げ、少し前のめりのようにも見える新打撃フォームを取り入れている。「工夫していることはたくさんある。昨年のままでいくことはない」。3年目の15年序盤にも試したことがあった。左肘に「自由」があるためテークバックを大きく使え、最後に左手でバットを強く押し込める。これにより、打球に力強さが増した。

 この広島2連戦、大谷の打席では敵地の広島ファンからも大きな声援と拍手が送られた。20日の中日戦(ナゴヤドーム)は休養のため欠場したが、大谷が攻守交代時に左翼手とのキャッチボールのためグラウンドに姿を現すと、大勢のファンがスタンド前方に駆け寄った。WBCは不参加となったが、注目度の高さは相変わずだ。

 「投手・大谷」復帰のメドは立っていない。ただ、投手復帰の際には新しい大谷が見られる気がしてならない。「工夫していることはたくさんある。昨年のままでいくことはない」。その言葉は投手にも当てはまるはずだ。まず打者で31日の開幕・西武戦(札幌ドーム)を目指す。焦らず、慎重に、進化した二刀流を待ちたい。(記者コラム・柳原 直之)

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2017年3月22日のニュース