報徳学園・永田監督 今大会で勇退…岡本主将「甲子園でも胴上げを」

[ 2017年1月28日 05:51 ]

第89回選抜高校野球大会出場校決定

今大会を最後に勇退することを語った報徳学園の永田裕治監督
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 第89回選抜高校野球大会に3年ぶり21度目の出場を果たした報徳学園(兵庫)の永田裕治監督(53)が27日、今大会を最後に勇退することを表明した。大会後も教諭として学校に残る。後任は同校OBで教え子の大角健二野球部長(36)が務める。

 選出が期待された昨春は補欠校に甘んじ涙をのんだ。「去年のチームは強かった。今年は弱いが出場できるのはおまえらの頑張りがあったから」。2年分の思いが詰まった選抜切符をかみしめた永田裕治監督は、自らの口で今選抜を最後に監督から退くことを伝えた。

 「この春をもって最後の采配にしたい。報徳のいいところは全員野球。部員77人の力を結集して、一日でも長く甲子園で戦えるようにしよう」

 報徳学園の外野手として1981年に春夏連続で甲子園出場し夏は全国制覇。コーチを務めた後、94年に監督に就任した。阪神・淡路大震災が発生した95年選抜に監督として初めて甲子園出場を果たすと2002年春には大谷(現ロッテ)らを擁し指揮官としても頂点に立った。春夏合わせ17度出場し通算20勝(16敗)。「突っ走ってきた」と表現する23年間の監督業に一つのけじめをつける決断をしたのは今月中旬だった。

 「1年生に良い選手がそろっている今が一番良い機会。(来夏の)100回大会までというのもあったが、一番きれいな形でバトンタッチしようと思った」

 突然の知らせに、喜びもつかの間、主将の岡本蒼内野手(2年)は「驚いたが、最後は全国優勝で終わりたい。目の前の一試合を全力で戦いたい」と言葉に力を込めれば、1年春から「1番・遊撃」を務めるスーパー1年生の小園海斗内野手は「伝統に恥じない、粘りあるプレーを一つ一つやっていきたい。もう少しレベルアップした姿を甲子園で見せるために時間を大切にしたい」と口を真一文字に結んだ。

 「紫紺の大旗を目指そう」と話した指揮官は、感謝の意を示す選手らの手で3度、宙に舞った。「甲子園でも胴上げできるようにしたい」(岡本主将)。監督としての集大成。「笑って終わりたい」と話す永田監督の最後の戦いが始まる。

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2017年1月28日のニュース