日本ハムドラ1堀 帽子のつばに書いた「笑え」 人見知りの“愛されキャラ”

[ 2017年1月28日 10:30 ]

17年版球界新士録

日本ハムの堀瑞輝
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 ファンの声援に応える時、取材に応じる時、ドラフト1位・堀は申し訳程度に笑みを浮かべる。本人いわく「人見知りが凄く激しい」という。ところが、ブルペンではひょう変する。眼光鋭く、ムチのようにしなる左腕から力強いボールを次々と繰り出していく。

 「(寮の)部屋ではずっとゴロゴロして音楽を聴いている。部屋からは出ることはあまりない」。広島新庄時代も4人部屋で寮生活だったが、当時も野球以外の用事で部屋から出ることはなく、「後輩に話しかけることもなかった」。勘違いされそうな性格だが、広島新庄の恩師・迫田守昭監督との出会いが大きかった。ある時、味方の失策でいらいらしていると、「マウンドでムスッとするな」と叱られた。すぐさま帽子のつばに「笑え」と書いた。人見知りでも、素直だった。その言葉を目にするうちに、マウンドで自然と笑顔が生まれ、落ち着いて投球できるようになった。

 練習中に笑顔はなかなか見られないが、ドラフト2位の石井一(早大)は「マイペース。まだ高校生で可愛い」と笑う。同じ高卒の同7位・郡(帝京)は「毎朝、練習前に堀の部屋に行く。気がついたらベッドで横になっているので練習いくぞって声を掛けている」。放っておけないキャラクターが愛されている。

 新調した紺のグラブに刻んだ言葉は「不撓不屈(ふとうふくつ)」。「プロ入りが決まってからは、くじけずに頑張ろうと思ってこの文字にした。プロで笑えるかどうかは分からんけど、ムスッとはせんとこうとは思う」。武器は最速150キロの直球と切れ味鋭いスライダー。その笑顔はプロの舞台でもきっと輝く。 (柳原 直之)

 ◆堀 瑞輝(ほり・みずき)1998年(平10)5月10日、広島県生まれの18歳。小2から「呉昭和クラブ」で野球を始め、昭和中では軟式野球部に所属。広島新庄では1年夏からベンチ入りし、2年から2年連続で夏の甲子園に出場した。昨年のU―18アジア選手権(台湾)では救援で通算9回2/3を投げ、無失点の快投で優勝に貢献した。1メートル77、72キロ。左投げ左打ち。

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