マ軍球団社長 イチと19年以降の契約に含み「その時に考えればいい」

[ 2016年10月7日 05:30 ]

マーリンズのイチロー
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 マーリンズは5日(日本時間6日)、イチロー外野手(42)の来季契約選択権を行使した。また18年の契約選択権も球団側は追加。最長あと2シーズンはマ軍でプレーする可能性があり、デービッド・サムソン球団社長(48)は19年以降の契約延長にも含みを持たせた。50歳まで現役という壮大な野望を口にしてきたイチローだが、その道のりはより現実味を増してきた。

 「レジェンド手形」とも言うべき契約延長となった。年俸200万ドル(約2億800万円)での来季契約延長だけでなく、18年の契約選択権を追加したことも発表。サムソン球団社長は真顔で熱弁を振るった。

 「彼は50歳までプレーしたいと本気で私に言ってきた。結果を出し続けているし彼ならできると思う。19年以降のことはその時に考えればいい」

 19年以降の契約延長にもしっかりと含みを持たせた口ぶり。一年一年が勝負なのは変わりないが、「50歳まで現役」という目標を後押しする姿勢を見せた。今季は昨季よりも73打席少ない中で、4本多い95安打。11年以降で最高の打率・291と進化し続ける姿を示した。世間一般の年齢の概念は当てはまらない。

 現役ではすでに最年長野手だが、一つの目標となるのはロッテでも活躍したフリオ・フランコ。48歳だった07年にメッツとブレーブスでプレーし、この年メジャー最年長本塁打も記録した。メジャー最年長安打はチャーリー・オリアリー(ブラウンズ)の58歳だが、これは引退から21年後の34年に1試合だけ現役復帰し記念出場した際のもの。1シーズンを戦い抜いたフランコの48歳が実質的な野手の最年長記録で、50歳なら上回る。

 チームは急死したエース・フェルナンデス投手に代わる先発投手獲得がオフ最大の懸案。正中堅手オズナ、内外野守るディートリッチらがトレード要員に挙がっており、イチローの打席数は今季よりも大幅に増えそうだ。昨年まで同様打席数に応じた出来高も設定されたとみられ、3年ぶりの年間100安打も視野に入る。50歳まで毎年100安打ずつ積み上げれば、メジャー通算で歴代3位の3830安打となる計算。常識を打ち破る独り旅はまだまだ続く。(マイアミ・笹田 幸嗣通信員)

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